「知らぬ間になっちゃった」袴田ひで子さん91歳の誕生日 弟巖さんの無実訴え続けた半生

再審=やり直しの裁判が続いている「袴田事件」。袴田巖さん(87)の姉・ひで子さんは2月8日、91歳の誕生日を浜松市で迎えました。

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フ~っとケーキのロウソクの火消す袴田巖さんの姉・ひで子さん。91歳になりました。巖さんからのプレゼントは、ピンクのくまのぬいぐるみでした。

<袴田巖さん(87)>
「気がついたっていやぁ気が付いたんだ。紳士的だね」

<袴田ひで子さん(91)>
「可愛らしくていいねえ」

先週日曜、散歩に出かけ巖さん自身が選んで買いました。

<袴田ひで子さん(91)>
「91歳になっちゃったと。知らぬ間になっちゃったと」

弟・巖さんの無実を訴え続けてきたひで子さんの半生は事件とともにありました。

1966年6月、静岡県旧清水市(現静岡市清水区)のみそ製造工場で、専務の一家4人が殺害された「袴田事件」。従業員だった弟の袴田巖さんは逮捕・起訴され、裁判では一貫して無実を主張するも、1980年に死刑を言い渡されました。

ひで子さんは、1981年の1回目の再審請求のサポートや、2008年、袴田巖さんに代わる2度目の再審請求など、姉として弟の無実を証明することに実に人生の半分を費やしました。2023年10月から、静岡地裁で再び裁判が始まっています。

ひで子さんは弟・袴田巖さんと一緒に暮らしながら闘い続けています。袴田巖さんは獄中生活での過度な心労による拘禁症状から、かつて「自分に姉はいない」という言い放ったこともありました。

<袴田巖さん(87)>
「姉ということで。闘いにおいては姉は味方だから。味方でどこまでいれるのかということだ。頑張ってもらいたいんだがね」

<袴田ひで子さん(91)>
「裁判が終わるまでは、91だろうが、92だろうが頑張っていく」

肩を並べ、穏やかに寄り添う袴田きょうだいの姿がありました。静岡地方裁判所の判決は早ければ、2024年夏ごろに言い渡される見通しです。

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