輪島の避難者、心癒やして 富山県黒部市のホテルで弾き語りコンサート

シンガー英樹さん(左)の歌に耳を傾ける避難者や住民ら=黒部市宇奈月温泉

 能登半島地震の被災者が2次避難している富山県黒部市宇奈月温泉のホテルで8日夜、弾き語りコンサートが開かれた。避難者や地元住民らが懐かしいメロディーに耳を傾け、楽しいひとときを過ごした。

 宇奈月温泉の湯快リゾート宇奈月グランドホテルには、石川県輪島市の被災者約80人が1月下旬から滞在している。

 コンサートはロビーであり、シンガー英樹さん(朝日町)がギターを手に「なごり雪」や「糸」、「神田川」といった曲を披露。合間に「暦の上ではもう春ですが、皆さんにも早く春が訪れますように」と語った。集まった人は体を揺らしてリズムを取ったり、手をたたいたりした。輪島市の木地信子さん(79)は「知っている曲ばかりでとても良かった。心が慰められた」と話した。

 コンサートは、少しでも避難者に安らいでもらおうと、宇奈月温泉の自治振興会や旅館協同組合などが初めて企画した。武隈義一市長も訪れ、避難者の支援について「これからもできる限りのことをしていきたい」と述べた。

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