芦屋のごみ、神戸で焼却へ 共同処理で温室効果ガス削減期待 2市、収集方法や費用負担を協議

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 兵庫県の神戸市と芦屋市が、ごみ処理を広域化する方向で検討していることが8日、関係者への取材で分かった。処理能力に余剰がある神戸の焼却施設で芦屋のごみの受け入れを想定し、共同処理により温室効果ガスの削減などを見込む。収集・運搬の在り方や費用負担で市民への影響を最小限に抑えるよう協議を進めている。

 芦屋市が昨年9月、ごみ処理などでの連携を神戸市に申し入れていた。自前の処理施設は1996年に設置され、今後10年程度で更新が必要になる。元々は前市長時代に西宮市との広域化を模索し、2017~21年に協議。可燃ごみ焼却施設を西宮に新設することでいったん合意したが、費用負担で折り合わず白紙となった。

 昨春の芦屋市長選で初当選した高島崚輔市長が広域化の実現に意欲を示し、久元喜造・神戸市長も市会本会議で「近隣自治体との連携強化は意義がある」と前向きな姿勢を見せていた。

 神戸市内のごみ排出量は人口減少などを背景に減少傾向にあり、可燃ごみは22年度が約23万6千トンで、10年間で約12%(約3万トン)減った。関係者によると、芦屋市の年間排出量(22年度は約2万5千トン)なら既存の焼却施設(神戸市東灘、中央、西区)で対応可能。蒸気を活用した発電設備もあり、焼却量が増えれば発電効率が高まるという。

 両市は目下、広域化の前提として市民負担の抑制策を協議。ごみ運搬車が神戸を行き交う頻度を減らすため、芦屋市内で収集したごみを同市の中継施設でパッカー車から大型車両に積み替え、搬送することを検討している。車両は一般道ではなく高速道路を走行し、神戸市民への影響を抑える考え。芦屋市側は、ごみ収集の日時を従来通りの運用で継続できるとみている。搬入先の神戸市の施設は調整段階で、費用負担については今後協議する見通し。

 ごみ処理での自治体連携は施設の集約化につながり、単独処理より経費を抑制でき、環境負荷の低減も期待できるとして、国や兵庫県も推奨している。(金 旻革、村上貴浩)

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