ワカメ良質 早岐瀬戸で漁解禁 「春の味楽しんで!」

「芽の葉巻き」と呼ばれる漁具でワカメを水揚げする川原さん=佐世保市、早岐瀬戸

 長崎県佐世保市の早岐瀬戸で今月、ワカメ漁が解禁され、みずみずしい天然ワカメが水揚げされている。
 春が旬の海産物。この時季、生のワカメが鮮魚店などにも並び始める。佐世保港と大村湾を結ぶ早岐瀬戸は、潮の流れが速く、水質にも恵まれ、良質のワカメが育つとされる。
 同市有福町の川原義博さん(75)は漁歴60年以上。波が穏やかになる下げ潮が漁の時間帯となる。海中にワカメが黒々と密集するポイントへと船を進め、手際良く作業。長さ約4.5メートルの竹ざおの先端に金具を付けた「芽の葉巻き」と呼ばれる漁具で、ワカメをぐるぐると巻き取り引き揚げていく。
 収量は例年と比べ少なめとか。乱獲はせずに、1日に30キロほどを採り、友人らに配るという。「春の味を楽しんでほしい。褐色のワカメをサッとゆでると、鮮やかな緑色になる。シャキシャキの食感。ぬたで食べるのがお薦め」と話している。春の訪れを告げる漁は3月中旬まで続く。

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