トルコ軍艦の遺物、奈良大が保存 和歌山沖で1890年沈没

奈良大が保存処理する「エルトゥールル号」の木製滑車=1月、奈良市

 1890年に和歌山県串本町沖で沈没したオスマン帝国(現在のトルコ)の軍艦「エルトゥールル号」の遺物を保存する取り組みを奈良大が始めた。木製品の劣化を防ぐ処理をする。沈没では乗組員500人超が犠牲となった一方、住民が生存者69人を救出し、両国友好の原点になったとされる。今津節生学長は「遺物の保存が友好継続の一助となれば」と期待している。

 エルトゥールル号は、明治天皇を訪れる使節団を乗せて来日したが、帰途に台風に遭遇して座礁、沈没した。周辺の海底では2007年から、トルコの水中考古学者トゥファン・トゥランルさんを中心としたチームが調査を開始している。

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