【能登半島地震】発災1か月あまり…初日から不明者捜索など支援を行った静岡県警機動隊員が現地の状況語る

能登半島地震の発生から1か月あまり。発生初日から行方不明者の捜索などを行った静岡県警の機動隊員が報道陣の取材に応じ被災地の過酷な状況や静岡で生かすべき教訓を語りました。

8日、報道陣の取材に応じたのは県警本部の機動隊に所属する佐藤邦洋警部補ら2人です。2人は県警の広域緊急援助隊として能登半島地震の被災地に派遣されました。元日に発生した能登半島地震。2人は、発生初日から震度7を観測した石川県珠洲市に入りました。行方不明者の捜索などを行いましたが被災地は壮絶な状況だったと振り返ります。

(佐藤 邦洋 警部補)

「木造家屋が多く半壊・全壊になっている家屋が多く見られた」「被災して間もないということで、住民は自宅から離れて避難所で暮らしたり、路肩に停めて車両で過ごすなど、非常に閑散とした状況でありました」

佐藤警部補らは発生初日から5日間被災地で活動し倒壊した家屋に取り残された人がいないか昼夜問わず懸命な捜索活動を行いました。

(佐藤 邦洋 警部補)

「捜索に至っては周りに人がいないでの、自ら声をかけて行方不明者・要救助者を探すという活動になりました」「活動自体は早朝から日没だったんですが、夜間も照明器具などを使って引き続き活動を続けていました」

倒壊した家屋から2人の高齢男性を心肺停止の状態で発見した際、家族からかけられた言葉が印象に残っているといいます。

(佐藤 邦洋 警部補)

「避難状況を確認していたところ、住民から呼び止められて、ご家族が(中に)いるということで、そこで倒壊家屋の中におられるご家族の救助を行いました」「ご家族も見えていたので、お互いに励ましあいながら救助をしたんですけど『是非出してあげて下さい』ということで涙ながらに語られまして『絶対に出します』と、夜まで活動して出して、心肺停止の状態だったんですが、感謝されました」

(被災地など)道路が寸断され迅速に被災地に向かうことができなかったと振り返る佐藤警部補。静岡でも大規模な地震が起きたときに備え“救助”や“避難”ルートを確保することが重要と指摘します。

(佐藤 邦洋 警部補)

「道路上は倒壊した家屋があったり、電信柱が傾いて電線が垂れ下がったりということで、車両の通行が容易ではない状況でした」「本県でも今回の能登半島地震の様に一部道路が寸断されて、孤立してしまう地域が考えられます。その際に救助隊や医療隊、物資の搬入、避難所のルートなど陸路のルートを確立することが大事かなと思いました」

県警によりますと、8日までに延べ231人が被災地に派遣されていて、今後も支援活動を継続するということです。

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