中国などの旧正月「春節」の大型連休の旅先として、岐阜県の人気が急上昇しています。
旅行サイトが予約状況を調べたところ、東京や京都など1位から4位までは定番の地域が並びましたが、5位に岐阜県がランクインしたのです。11位だった去年と比べて予約数は倍以上に。
その理由を旅行サイトの担当者に聞いてみました。
(旅行サイトKKday担当者)
「雪という日本独特の四季の自然の産物が、(他の地域では)なかなか見られない。それだけではなく、この地域ならではの様相が海外の人に受けている」
昔ながらの町並みが魅力の県内屈指の観光地・高山市。2月7日に訪れると、すでに多くの外国人観光客の姿がありました。
(マカオからの観光客)
「景色がきれい」
(上海からの観光客)
「東京は人も多くて、ここはあまり人が来ないから行ってみたいと思った」
そして、県内でも特に人気を集めているのは、世界遺産登録されている岐阜県白川村の「白川郷」です。旅行サイトの予約数は去年の3倍以上です。
雪景色と合掌造りの建物が織りなす景色が幻想的だという声が、多くの外国人から聞こえてきます。
(台湾からの観光客)
「白川郷は台湾では有名です」
(インドネシアからの観光客)
Q雪見たのは初めて?
「初めてです。きれい」
(フィリピンからの観光客)
「イッツ クール(カッコいい!)」
(土産物店 店長)
「いっぱい外国人が来ている。コロナ禍前以上に感じる」
高山・白川郷以外にも人気スポットが
人気を集めている場所は他にも。郡上市のスキー場、高鷲(たかす)スノーパークです。
(吉田 翔記者 8日)
「高山や白川郷といった観光名所のみならず、スキー場にも春節の休みを利用して多くの観光客が訪れています」
(香港からの観光客)
「子どもが初めてスノーボードをする」
(台湾からの観光客)
Q岐阜の旅行では何が楽しみ?
「スキーと自然と温泉。これから名古屋のレゴランドにも行く」
スキーやスノーボードの魅力はもちろん、岐阜県はセントレアからも近く、移動の負担も少ないという理由で、人気は高まっているようです。
(高鷲スノーパーク 蓑島治明支配人)
「今までだと香港からの人が一番多かったです。香港、台湾、タイという感じですね。アジアの人たちは温暖な地域に住んでいますから、日本の雪とか雪景色はなかなか見られないと思うので、スキーやスノーボードを滑走する楽しさを味わってほしい」
人気の影に“GIFU”のデジタルマーケティング戦略
実は岐阜はもともと海外の観光客には人気のスポットでした。
コロナ禍前の2019年のデータでは、全体の観光客に占める外国人観光客の割合は京都、大阪、東京と続いて、岐阜は22.7%と全国で6位でした。外国人観光客の割合が高いということで、コロナ禍は大きな打撃を受けていました。
なぜ今、岐阜が人気なのか。岐阜県の観光誘客推進課の加藤英彦課長に聞きました。外に打って出ることが難しいコロナ禍に「各国のニーズを分析し、SNSなどのデジタルマーケティングを中心に岐阜を売り込んだ」ということなんです。
しかも、ディズニーやUSJなど、大きなアミューズメント施設などがない岐阜が売り込んだのが、人々の生活に溶け込んでいる豊かな自然と伝統文化だったということでした。
さらに、今年度は岐阜県は「インバウンド回復元年」という位置づけで、台湾やシンガポールなどアジア圏で重点的にPRを行ったそうなんです。こういった地道な努力の成果が今回の人気アップにつながっているんですね。
「春節」の時期を含めこの先しばらくは、岐阜県への熱視線は注がれそうです。