「なぜ日本に1-6で惨敗したヨルダンが決勝に?」母国記者が納得の回答「この試合のおかげで韓国と...」【現地発】

カタールで開催されているアジアカップで、驚異的な快進撃を見せているのがヨルダンだ。グループステージは1勝1分け1敗の3位通過だったものの、ラウンド16では日本を破ったイラクに劇的な逆転勝利。これで勢いに乗ると、準々決勝でタジキスタンを1-0で下し、初の4強入りを果たす。

準決勝では、グループステージで2-2と引き分けた優勝候補の韓国に2-0で快勝。開催国カタールとの決勝に駒を進めている。

そのヨルダンは、開幕3日前の1月9日に非公開で行われた日本代表とトレーニングマッチで1-6と惨敗していた。そのチームが、なぜこれほどまでに変貌したのか。ヨルダンのアレスー・ヤセル記者に尋ねると、次のように回答した。

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「おっしゃる通り、我々は日本に1-6で大敗した。だが、これは大会前の話で、主力をぶつけるというよりは、選手を試す機会だった。どの選手たちも、本番でどのようにプレーするべきかを準備している段階だったんだ」

同記者は「日本や韓国(のような強国)とどのように対戦すべきか。(フセイン・アモータ)監督はこの試合のおかげで、その方法を見つけたんだ。大会前に、この選手の調子がいい、ここで使うのがいいと見極めるのがトレーニングマッチだ。彼は大会に入ると、よい組み合わせで選手を送り出した。だから勝てたのさ」と見解を続けた。至極真っ当な意見だ。

非公開だったが、試合後の森保一監督のコメントから、日本はこのヨルダン戦で、初戦のベトナム戦とほぼ同じメンバー(2人のみ変更)を送り出したのが明らかになった。

ただ、ヨルダンは初戦に向けた調整試合ではなく、まだベストメンバーを模索している段階だったようだ。それでも、大敗の中から最適解を見つけ出したモロッコ人指揮官の手腕は見事と言うほかない。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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