ブロッコリーが半世紀ぶりに追加された「指定野菜」って何? 生産者「供給が増えれば、値段も下がる」

嶋田光希アナウンサー:「富士市内の野菜畑に来ています。こちらでは、このように立派なブロッコリーが栽培されているんですが、実は、今後このブロッコリー安く食べられるようになるかもしれません」

ブロッコリー「指定野菜」に追加へ

サラダやシチューなど家庭でも消費することの多いブロッコリー。こうしたことを背景に、国は2026年度からブロッコリーを「指定野菜」に追加することを決定しました。

そもそも「指定野菜」とは特に消費量が多い野菜を、国がリストアップしたもので、現在はニンジン、トマト、ナスなど14品目。ここに今回ブロッコリーが仲間入りすることになったのです。新たな「指定野菜」の追加は、実に1974年以来、およそ50年ぶりです。

ブロッコリーは、北海道や愛知県、埼玉県などが主な産地。「指定野菜」に追加されることで、価格が下がった場合に、生産者に支払われる補助金が手厚くなり、安定供給につながることが期待されています。

消費者は

普段からよくブロッコリーを購入しているという人はー。

客(静岡市内 40代母と6歳息子)
「ブロッコリーは息子が好きなので、しょっちゅう買っている」
Q:ブロッコリーは好き?
6歳の子「はい」
Q:どういうところが好き?
「体に良いビタミンCとか入っていて、体に良いからです」
Q:味はどう?
「あまり好きな味ではないですけど、まあ、食べます」

全国各地で栽培され、今や1年中食べることのできる「ブロッコリー」。ところが、すでに指定野菜となっているキャベツやだいこん、トマトは、去年、猛暑の影響で価格が高騰しました。ブロッコリーは、今後、安くなっていくのでしょうか?

田子重西中原店 天野克彦副店長:「はっきり言えばわからないところだが、今なかなか、100円を切る値段で売れる野菜が少なくなっているので、98円とか、88円とかで、ブロッコリーが売れるようになれば、私もうれしいし、お客さんにも喜んでもらえる」

スーパーでは、今後の状況が読めないながらも、大きな期待を寄せています。

生産者は

一方、ブロッコリーを生産する農家はどういった受け止めなのか、富士市内のブロッコリー農家を取材しました。

嶋田光希アナウンサー:「今ちょうど収穫作業をされているようです」

富士市内で、ブロッコリーを中心に、年間およそ20種類の野菜を作っている「YAMATARO FARM(ヤマタロ―ファーム)」。富士市内に10カ所ある畑のうち、4カ所でブロッコリーを栽培していて、毎年10月~6月まで、作付け、収穫を繰り返しています。

こちらでは年間およそ3万個のブロッコリーを出荷していて、年々需要も増えているといいます。

富士市内でも標高が高いこちらの農園では、少し暑くなる初夏にも収穫が出来るといいます。また、黒ボク土と言われる、水はけの良い土になっているので、野菜の栽培にも適しているといいます。

ブロッコリーが「指定野菜」に追加されることについてはー。

YAMATARO FARM 山村達也代表:「全国でみると、やはりブロッコリーが高騰するのが、4月それから8、9月とか、比較的毎年決まったタイミングで、ブロッコリーは高騰していく。それは全国的に生産量が減るからで、特に夏場8,9月とか、そういった夏場に植える作付けは、どうしても静岡県は出来ないので、北海道とか東北とか、長野とか、そういったところの収穫されたものがメーンになってくる。そういったところの作付けが増えれば、もちろん、供給が増えれば、値段も下がるということで、手に取りやすい価格になるのではないかと思う」

「指定野菜」になることでブロッコリーが安くなることについては、うれしい半面、複雑な思いも。

YAMATARO FARM 山村達也代表:「なるべく小売価格は安くしたいけど、うちの実入りはそこまで安くなると困るので、産直を主体にやっている。それでも全体としての相場の金額には、大きく左右されるので、うちとすると、あまり安くなり過ぎないというのがうれしいにはうれしい。ただ、その分、皆さんが食べてくれる機会が増えたりとか、気にかけてくれる機会が増えて、ちゃんと供給量に対しても、需要、食べてくれる方が増えることが伴ってくれるというのが一番の理想」

料理には欠かせない“食卓の味方”、「ブロッコリー」。「指定野菜」に追加で、どう変わっていくのか、生産者、消費者ともに注目です。

© 静岡朝日テレビ