今井翼さん「仮想空間楽しんで」…福井の観光周遊型XRバスPR 恐竜博物館やあわら温泉へ、6月運行開始

お披露目された観光周遊型クロス・リアリティーバス=2月9日、福井県福井市のハピテラス

 北陸新幹線県内開業後の6月から、福井県嶺北地域の観光地を巡るクロス・リアリティー(XR)バス「WOWRIDE(ワウライド) いこっさ! 福井号」が2月9日、福井市のハピテラスでお披露目された。乗客はJR福井駅から観光地への移動時に、窓部分や天井など車内一面に取り付けられた液晶画面の映像によって、臨場感あるエンターテインメント性の高い仮想空間を楽しめる。映像に出演する俳優今井翼さん(42)はお披露目式で「お子さんから大人まで、仮想空間でしか味わえない体験を楽しんでほしい」とPRした。

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 XRバスはJR西日本や県などが企画し、京福バス(本社福井市)が運行する。車内では四季の風景や走行中の景色、恐竜、歴史など福井の魅力を拡張現実(AR)や仮想現実(VR)映像で車窓部分に映し出す。例えば福井駅から県立恐竜博物館(勝山市)へ向かう車内では、今井さんが演じる恐竜大好き化石ハンターが恐竜の魅力を語っていると、「恐竜が福井に出現!」とニュース速報が流れるなど、ドラマ仕立てで恐竜王国福井をPRする。運行は福井駅と恐竜博物館、県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館(福井市)、あわら湯のまち駅・あわら温泉エリア(あわら市)を結ぶルートで、車内映像はそれぞれ異なる。

 式ではラッピングされた車両2台を披露。恐竜や越前がに、ソースカツ丼などのほか、映像に出演する今井さん、俳優温水洋一さんらも描かれ、デザインを担当した美浜町出身のイラストレーター中村サトルさんは「老若男女に愛されるかわいい感じにしつつ、物語性を考えた」と語った。JR西の漆原健・常務理事金沢支社長は「新幹線で福井へ来た人に、より魅力を感じ楽しい思い出を持ち帰ってもらいたい」、杉本達治知事は「2次交通のエンタメ化の極め付きがワウライド」とあいさつした。

 3月1日にチケット販売を開始し、個人客は特設ホームページなどで、団体客は京福バスで受け付ける。

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