悩みのシワはどのタイプ?美容医療で4種類のシワをケアするには

いろいろな原因で刻まれるシワ。不機嫌そうに見えたり、老けて見えたりで、気になってしまいますよね。代表的なシワの4タイプの特徴や施術について、どうたいクリニック美容皮膚科院長の岡部圭介医師と、設楽敦子看護師に、お話を伺いました。

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いろいろなことの蓄積で、 シワは年々深く刻まれていきます

シワができる原因はいろいろとあります。

□乾燥
□紫外線の影響
□ヒアルロン酸やコラーゲンなどが減少して肌の弾力が低下する
□女性ホルモンの減少
□表情を作るときのクセ
□加齢によるたるみ など

マチュア世代の皆さんが、その原因を一つずつチェックしていくと「えっ、それも当てはまる!」「うんうん、これもそう」と感じる方が多いのでは?

女性ホルモンは閉経前後から急激に減っていきますし、紫外線の影響は浴びている時間が長ければ長いほど大きくなります。また表情のクセも長年日常的に繰り返すことで、シワとしてくっきりと刻まれていきます。ですから、マチュア世代で「シワなんて気にならない」という人のほうが少ないでしょう。

シワはあって、当たり前! でもそのシワのせいで「実年齢より老けて見える」「疲れてみえる」「なんだか不機嫌そう」「怒ってる?」なんて思われてしまったら、残念ですね。

前回ご説明したシミと同様に、シワもタイプによって適する施術が異なります。自由診療の美容医療で、簡単にシワの種類とシワの種類別の主な施術を紹介しましょう。

1 表皮ジワ(ちりめんジワ)

肌は表皮、真皮、皮下組織でできています。このうちの一番外側(=肌の表面)にできる浅くて細かなシワが表皮ジワです。紫外線の影響や皮膚をこすったりすることが主な原因と考えられています。

表皮ジワはスキンケアでしっかり保湿することで予防&改善できますが、肌にハリや栄養分を与える自由診療の美容施術を定期的に受けると、よりよいでしょう。

<主な施術>
【フォトフェイシャル】
さまざまな波長の光を照射して、皮膚にハリを与え、シワを改善します。

どんな治療?
目を守るアイガードをつけて、顔全体に光エネルギーを照射します。

痛みや副作用は?
・輪ゴムではじくような軽い痛みがあります
・施術後、肌に赤みが出ることがあります
・隠れジミが出てくる、一時的にシミが濃くなることがあります

【水光注射】
肌全体にソフトヒアルロン酸を注入し、肌に弾力、ハリを与えてシワを目立たなくする施術です。

どんな治療?
皮膚を吸引しながら、機械の先端についた極細の針で真皮にソフトヒアルロン酸を注入します。麻酔クリームを使って、施術を行います。

痛みや副作用は?
・施術直後に注射痕状の赤い点が出る
・出血、内出血など

2 真皮ジワ

表皮より深い部分の真皮にあるコラーゲンやエラスチンが減少することで起こるのが真皮ジワ。乾燥による小じわなどよりも、くっきりと深く刻まれているのが特徴で、目元、ほうれい線やマリオネットラインなど口元が特に目立ちます。表皮は陥没していることが多いので、しっかりと保湿ケアをしてもなかなか改善しにくいシワです。

<主な施術>
【ヒアルロン酸注入】
ヒアルロン酸は体内にある保水力に優れた成分です。加齢によってヒアルロン酸が減少した部分にできたシワやくぼみなどに、ヒアルロン酸製剤を注入します。

どんな治療?
針でヒアルロン酸を注入します。シワのでき方や深さ、その人の骨格などによって、注入する部位を決めます。

痛みや副作用は?
・針を刺す痛み、注入時の違和感
・内出血
・腫れ、むくみ
・チンダル現象(ヒアルロン酸が透けて見える)など

3 表情ジワ

笑ったり、顔をしかめて怒ったり、眉をひそめたり、驚いて眉を上げたりといった表情を作ると口元、目じり、眉間、おでこなどにシワができます。つまり表情ジワは筋肉を動かすことで作られるのです。肌にハリや弾力があれば、表情を戻せばそのシワは消えます。

しかし一時的だとはいえ、何度も何度も同じ場所にシワができることを繰り返すこと。また加齢によって、肌のハリや弾力が失われてくることが重なって、やがて表情を作っていないときでもそのシワが消えなくなり、表情ジワとして定着してしまうのです。

<主な施術>
【ボトックス】
筋肉の動きに作用するボツリヌス製剤を注入して、筋肉の動きを抑え、表情ジワをできにくくする治療です。眉間、額、目じり、あごの梅干しジワなどに効果的です。

ボトックスはシワ改善の他、多汗症(ワキ汗)、花粉症の治療などにも有効です。

どんな治療?
表情ジワを作る筋肉にボトックスを注射します。

痛みや副作用は?
・針を刺す痛み
・内出血、腫れ、頭重感
・表情が不自然になることがある
・眼瞼下垂など

眼瞼下垂に伴うおでこのシワは

眼瞼下垂がある方は、無意識に前頭筋(おでこの筋肉)を収縮させて眉毛をあげて眼を開けるのを助ける動作をするようになります。そのような場合には、おでこのシワをなくすためにボトックスを注射すると眉毛が動かなくなり眼瞼下垂の症状が悪化することがあります。したがって、眼瞼下垂に伴うおでこのシワを目立たなくさせるためには眼瞼下垂の治療(手術)が必要となることがあります。

4 たるみジワ

加齢に伴って肌のハリ、弾力が失われ、顔がたるむことによってできるシワ。マチュア世代の多くが悩むほうれい線やゴルゴラインも、周辺の皮膚や皮下組織、筋膜がたるむことで、より深く刻まれます。

<主な施術>
【ヒアルロン酸注入】
糸リフト、フェイスリフトなどもたるみジワ改善に効果的ですが、リフトアップ系の施術については、次回のたるみ治療でくわしく説明します。

どんな治療?
痛みや副作用は?
「2 真皮ジワ【ヒアルロン酸注入】」の項を参照してください。


監修者
どうたいクリニック美容皮膚科院長・慶應義塾大学形成外科専任講師 岡部圭介

静岡県浜松市出身。2004年 慶應義塾大学医学部卒業。2014年 同大学大学院医学研究科博士課程修了(医学博士)。同大学形成外科助教を経て、2016年から慶應義塾大学形成外科専任講師。専門は先天性顎顔面疾患の手術治療、きずの治療など。
【所属学会】日本形成外科学会(専門医・指導医)、日本創傷治癒学会(評議員)、日本創傷外科学会(専門医)、瘢痕・ケロイド治療研究会(理事)、日本再生医療学会、日本褥瘡学会、血管生物医学会

監修者
どうたいクリニック美容皮膚科看護師長 設楽敦子

北里大学看護学部卒。北里大学病院中央手術室に11年間勤務。出産・子育てを経て、どうたいクリニック入職。韓国の美容医療事情にも精通している。

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