県内ゴルフ場11施設に被害 コース、カート道に亀裂、崩落

芝生やカート道が崩落したゴルフコース=富山県内のゴルフ場

  ●工事業者は被災地に軸、営業再開に遅れも

  ●東部まで影響、復旧急ぐ

 富山県内のゴルフ場が能登半島地震の影響で施設の休業や利用制限を強いられている。地震の被害が大きかった県西部だけでなく、東部の施設でもコースやクラブハウス、駐車場などで被害が確認され、全15施設のうち、少なくとも11施設で修復を進めている。被災地の復旧工事と重なり、ゴルフ場の回復が遅れる可能性もあり、春のシーズン本番に向けて関係者は焦りを募らせている。

 「震度7の地震がこんな広範囲に影響するとは思わなかった」。魚津国際カントリークラブ(魚津市)の担当者はため息をついた。

 同クラブではコースに複数の亀裂が確認され、カート道は2カ所で土砂崩れがあった。プレーに直接影響する被害ではないが、安全を優先して営業を休止し、復旧工事を進めている。

 19日に9ホール、3月18日に18ホールを仮オープンし、4月末に本オープンする計画だった。しかし、県内の業者が被災地のインフラ復旧に人手を取られていて「まだ設計の段階」で、計画は遅れそうだ。

 損害額は膨れ上がるが、国、県の補助制度で乗り切る考えだ。担当者は「年会費やプレー代を上げることはない。一日も早く再開したい」と話した。

 ゴルフ倶楽部ゴールドウイン(小矢部市)もコースやカート道の一部が崩落し、休業を余儀なくされている。仮設のカート道を設け、被害のあったホールの規定打数を4打から3打に短縮するなど、被害箇所を避ける対策をとって3月上旬の営業再開を目指す。

 3コース27ホールを持つ立山カントリークラブ(立山町)は複数のホールで土砂が崩れ、1コース9ホールを閉鎖している。グリーン脇が崩落し、別のホールに土砂が流れ込むなど手が付けられない状態だ。

 担当者は「40年以上働いているが、こんな大きな被害は初めて」と嘆いた。残る18ホールは3月中に営業できる見込みだが、被害のあったコースは「4月の復旧は難しい。大掛かりな工事が必要で、再開はいつになるか」と声を落とした。

 呉羽カントリークラブ(富山市)は第2駐車場の一部が崩落したものの、コースに影響はなく、近日中に営業を始める。

 県ゴルフ連盟によると、ほかにもコースの隆起やクラブハウスの断水などの被害がでている。担当者は「どこの施設も春のオープンに向けて修復を進めているが、時間がかかりそうだ」と話した。

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