紫式部も口ずさんだかも?…古代歌謡「道の口」の合唱曲完成 福井県の史実伝える催馬楽を編曲

催馬楽の「道の口」を合唱曲に編曲した松村勇さん=福井市内

 奈良・平安時代の越前国府が武生(たけふ=現福井県越前市)にあった史実を歌詞で伝える古代歌謡「催馬楽(さいばら)」の一つ「道の口」の合唱曲が完成した。福井市を拠点に活動する混声合唱団「福井コールアカデミー」で指揮・作編曲を担当する松村勇さん(80)=福井市=が、幅広い世代に広めたいと編曲した。

 8世紀末から9世紀初めに成立したとされる「道の口」は「武生の国府に我はありと―」と歌われている。旋律は明らかになっていなかったが、越前市の郷土史愛好家、池田正男さん(78)が関連資料をたどり2022年に再現。昨年4月には雅楽演奏会が越前市で開かれた。

 松村さんは演奏会で「道の口」を聴き、合唱曲にしたいと池田さんに提案。雅楽合奏をピアノ伴奏に置き換えるなどし昨年6月に混声三部合唱曲に編曲した。

 福井コールアカデミーでは、2月23日に福井市の県立音楽堂で開かれる「第18回県合唱ふれあいフェスティバル」(福井県合唱連盟主催)で同曲を披露する。松村さんは「紫式部が口ずさんだとも言われる『道の口』が県民にもっと親しんでもらえるきっかけになれば」と話している。

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「道の口」の歌詞

道の口 武生の国府に我はありと 親には申し賜(た)べ 心あいの風や さ公達(きむだち)や

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