たい焼きならぬ「さばやき」誕生…眼鏡のまち鯖江市で週2日だけの限定販売、口コミでじわり人気

考案した「さばやき」を手にする佐々木さん。眼鏡形の飾りも食べられる=1月30日、福井県鯖江市の鯖江商工会館

 福井県鯖江市で起業のノウハウを学び、鯖江商工会館のカフェで働く女性がたい焼きならぬ「さばやき」を考案した。サバをかたどった薄皮の生地にたっぷりのあんこと大粒のクルミが入っており、眼鏡形生地の飾り付き。見た目も味も好評で週2日の限定販売ながら口コミで広がっている。目標とする「鯖江の名物おやつ」になる、かもしれない。

 考案したのは福井市の佐々木明子さん(59)。鯖江市で長年暮らし、市内の眼鏡枠製造会社に23年間勤めた。約2年前に退職した後「鯖江のために何かできないか」と考え、たい焼きを食べていたときにふと「さばやき」を思いついた。

 さばえ創業塾などで起業のノウハウを学び、自身のアイデアを具体化。鯖江商工会館1階のカフェで働きながら、デザイナーらの助言を受け商品開発した。

 完成したさばやきは、さくっとした薄皮の生地に、甘さ控えめの自家製あんこがたっぷり。ごろごろしたクルミが食感のアクセントになっている。遊び心を感じさせる眼鏡形の飾りも食べることができる。

 「お菓子作りの経験が少なく、味が一番苦労した」と言い、生地作りなどで試行錯誤を繰り返した。昨年末の試食会で参加者の反応の良さに手応えを得て、1月から同会館のカフェで月曜と火曜に販売している。

 形はオリジナルで、金型は地元の鋳物メーカーに製作を依頼した。まだ一つしかないため、一度に焼けるのは4個まで。大量に作るのは時間がかかるが、市中心部のカフェで販売する機会があったときは1日100個超が売れたという。

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 1個200円。軌道に乗れば「キッチンカーで移動販売をしたい」と次の展開を見据えている。

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