タクシー券の用途拡大、自転車ヘルメット購入可能に 高岡市、運転免許返納者に交付

宮林店主(左)に標識を手渡す松本課長(中央)と田中署長

 富山県高岡市は、運転免許証の自主返納者に交付しているタクシー利用券の用途を広げ、自転車用ヘルメットの購入費として使えるようにした。自転車利用者のヘルメットの着用率向上が狙い。高岡自転車商組合に加盟する18店舗で利用できる。

 タクシー利用券の助成額は65~74歳が1万6500円、75歳以上が1万1千円。自転車を日常的に利用する高齢者の安全を守るため、9日から用途を拡大した。「シニアカー」と呼ばれる電動車椅子の購入・レンタル費としても利用できる。

 高岡署も同組合と連携し、着用率向上に向けた取り組みを始めた。免許証返納者に交付される「運転経歴証明書」を加盟店で提示すれば、ヘルメットの購入費が千円割り引かれる。

 加盟店の「自転車の宿(やかた)宮林」(高岡市中川本町)で9日、市と同署の取り組みに協賛していることを示す標識の設置式が開かれた。松本武司市民生活課長と田中竜介署長が宮林義之店主に標識を手渡した。

 宮林店主は「1人でも多くの人にヘルメットを着用してもらうために組合として協力したい」と話した。

 都道府県警が昨年行った調査によると、自転車利用者のヘルメットの着用率は、富山県が10.3%で全国平均(13.5%)を下回り、着用率向上が課題となっている。

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