米国で農業を学ぶ大学生らでつくる全米農業学生連盟の訪日団が、京都府亀岡市西別院町犬甘野の長澤農園を視察した。水耕栽培で一年を通じて安定的に野菜を生産するノウハウについて、学生たちが熱心に聞いた。
同農園は40年以上前から水耕に取り組み、現在はガラス温室2棟を使ってトマトやキュウリ、ナスなどを育てている。農園独自のシステム開発に取り組んできた長澤忠夫さん(79)が、1日に訪れた学生6人と引率者2人を案内した。
長澤さんは、温室内の二酸化炭素(CO2)濃度や湿度をコンピューター管理したり、授粉のために飼っている蜂の巣箱にドライヤーの温風を送って適温にしたりしていることを説明。肥料を混ぜた地下水は施設内を循環して外部に流出しないため、環境負荷が少ない利点を挙げた。
連盟会長のアマラ・ジャクソンさん(20)は「科学技術を使った水耕栽培は米国と似ていたが、害虫を捕まえるのに黄色い粘着テープを使うなど工夫をしていて興味深かった」と話した。
訪日団は、日本の農業を広く知るため毎年実施。新型コロナウイルス感染拡大で休止していたが、4年ぶりに再開した。行程は農協観光(東京都)が企画し、1月28日~2月7日に東京や鹿児島を訪問して茶やミカンの栽培や肉牛の肥育現場を回る。