ヤマコン×ヤマコン食品“硬軟”コラボの玉こんにゃく 社名縁で記念の品

社名が同じ縁でコラボし、オリジナル玉こんにゃくを作ったヤマコンの佐藤隆彦社長(左)とヤマコン食品の長谷川晃一社長=山形市

 社名が同じ山形市の企業が業種の壁を越え、異色のコラボレーションに取り組んでいる。コンクリート圧送業の「ヤマコン」(佐藤隆彦社長)と、こんにゃく製造業の「ヤマコン食品」(長谷川晃一社長)が連携し、ヤマコンのオリジナル玉こんにゃくを作った。ヤマコンが社員に配ったところ「面白い」と好評で、記念品として取引先や市民に提供し活用する計画だ。

 ヤマコン食品は1887(明治20)年創業で、1968(昭和43)年に「山形こんにゃく」になった。周囲から「やまこん」と呼ばれることが多く、創業100周年の87年に現社名にした。ヤマコンは66年に「山形コンクリートサービス」として創業。同じく「やまこん」と呼ばれ、関連会社との統合を機に95年に現社名に変えた。

 コラボはヤマコン側が発案し、佐藤社長が「後から同じ社名になり、ずっと気にかけていた。話に乗っていただきたい」と進めた。長谷川社長も「大きな企業から声がかかり、ありがたい」と快諾。コンクリートとこんにゃくの“硬軟両端”の連携が実現した。

 オリジナル玉こんにゃくは2個入りパックが三つ入り、コンクリートポンプ車と玉こんにゃく入り鍋を記したラベル付き。ヤマコンが自社と協力会社の社員約270人に配ると、8割が県外勤務のため「山形らしく、おいしい」と大いに受けた。現時点では非売品で、取引先向けやイベント時の記念品として提供する考え。

 双方に間違い電話がきたり、五十音順の名簿で並んだりすることがあり、互いに意識する存在だった両社。両社長が山形青年会議所OBで、工業用と食用の違いはあれど材料に石灰を使う共通点も見つかった。

 佐藤社長が「ヤマコン食品さんにあやかって100年企業を目指す」と言えば、長谷川社長は「コラボで露出が増え、互いに高め合っていければ」。両社は今後も硬軟織り交ぜて協力し、互いの仕事とこんにゃく消費量日本一の本県をアピールする。

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