八戸環状線、76%開通も全通までなお8年 難工事の国道立体交差に青森県が「一定の時間必要」

一部は舗装済みの天久岱2期工区。右は造成中の八戸北インター第2工業団地、左は八戸自動車道=9日
馬淵川に架かる橋を建設中の尻内工区=1月(県提供)

 青森県が今月5日に発表した県内インフラ施設の完成目標によると、八戸市の市街地を取り巻くような道路の八戸環状線(全長21.0キロ)の全線開通は2032年度と初めて示された。現時点の開通済み区間は76%に当たる16.3キロで、残る3工区の計4.7キロも全て事業に着手している。だが、22年度に事業を始めた市川2期工区(880メートル、総事業費49億円)は国道45号と立体交差する工事が難しい区間で、県は一定の時間が必要になると説明している。

 同市市川町と白銀町を結ぶ八戸環状線は4車線の環状道路。沿線には港湾や工業団地、高速道路インターチェンジ(IC)、八戸駅、医療機関があり、産業活性化や防災対策強化、渋滞緩和などを目的に県が整備を進めている。

 八戸市も早期の全線開通を求め、県に対する最重点要望事項と位置づけている。

 1981年度に完成した白銀工区を皮切りに、段階的に道路が開通。2013年度に糠塚工区、14年度に中居林工区が完成し、田面木から白銀町までの10.3キロが一本に結ばれ、八戸自動車道八戸ICや市民病院へのアクセスが向上した。

 市川2期工区以外の未開通区間は、市が造成を進める八戸北インター第2工業団地に隣接する天久岱(てんぐたい)2期工区(2.5キロ、総事業費95億円)、馬淵川をまたぐ尻内工区(1.35キロ、同135億円)。今回県が示した完成目標によると、天久岱2期工区は27年度まで、市川2期、尻内の両工区は32年度までの開通を目指す。

 県三八地域県民局道路施設課によると、市川2期工区は現在、測量などの準備段階で、今後用地買収を進めるという。相馬基課長は「交通量が多い国道45号の安全性を確保しながら工事を進めることになるため、国と慎重に協議を進めている」と理解を求めている。

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