【2024年F1全チーム展望:レーシング・ブルズ】さらにレッドブル化が進んだVCARB 01。新技術体制が浮上のカギか

 すでに昨年のシンガポールGPからレッドブル・テクノロジー製のリヤサスペンションを使用して、シーズン終盤に大きくステップアップしたレーシング・ブルズ/RB。今年はチーム名を『ビザ・キャッシュアップRB』と改め、2月8日(木)にラスベガスでお披露目した新車『VCARB 01』は、さらにレッドブル化が進んだ。

 2024年シーズンに投入される新マシンは、リヤサスペンションに続いて、フロントサスペンションもレッドブル・テクノロジーから供給を受け、プッシュロッド方式からプルロッド方式に変更された。さらには、ステアリングホイールとギアボックスもレッドブル・テクノロジー製である。

 サスペンションがフロントがプルロッドで、リヤがプッシュロッドというレイアウトは、昨年までのレッドブルとマクラーレン、そして今年の2月5日に新車を発表したステークに続いて4チーム目である。

レーシング・ブルズの2024年型F1マシン『VCARB 01』のカラーリング

 現代のF1におけるサスペンションレイアウトの目的には、主に空力が関係している。だが、サスペンションは空力の一部に過ぎず、全体のコンセプトを理解していない限りは、変更を加えても意味がないとも言える。

 また、レッドブルがライバルたちを席巻しているもうひとつの理由に、ヒーブサスペンションなどのサードサスペンションシステムが大きく関係しているとも言われる。

 レッドブルのサードサスペンションは、車高の安定にも影響を与えることで、比較的低い車高でのセットアップを可能にし、それがより多くのダウンフォースを得てライバルを圧倒しているのではないかという見方も多い。

 したがって、今年から前後ともレッドブルと同じサスペンション方式にしたレーシング・ブルズが、その変更をアドバンテージとするには、サードサスペンションを含めた足回り全体の機能を見直し、改善しなければならない。

レーシング・ブルズの2024年型F1マシン『VCARB 01』のカラーリング

■「実際に走らせるまではわからない」とリカルド

 ドライバーとして発表会に参加したダニエル・リカルドも、過度な期待は禁物だと語る。

「チーム内で話していても、『実際にサーキットで走らせるまではわからない』と、みんな言っているよ。だから、僕もバーレーンでコースインするまで、新車の評価は待ちたい」

 そこで重要となる人物は、1月末にチームに加入することが発表されたギヨーム・カテラーニだ。フランス人のカテラーニは、昨シーズンまでレッドブル・テクノロジーに所属し、空力とビークルダイナミクスに精通していた。

 テクニカルディレクターであるジョディ・エギントンに直属の副テクニカルディレクターとして、すでに仕事を開始しているカテラーニ。フロント・プル&リヤ・プッシュのサスペンションをいかに使いこなせるのか。カテラーニにかかる期待は大きい。

レーシング・ブルズのファクトリー

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