2050年の青森県、32市町村で働き手半減 青森市5割、外ケ浜町は8割減

 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が昨年12月に公表した市町村別の推計人口から、働き手の中心となる15~64歳の人口(生産年齢人口)を2020年と50年時点で比較したところ、青森県内40市町村のうち32市町村が半数以下に減ることが分かった。減少率が最も大きい外ケ浜町は、50年の生産年齢人口が20年に比べ8割減り、県庁所在地の青森市も半減する。佐井村と今別町は生産年齢人口が100人台に落ち込む。

 推計通りに減少が進むと、産業や福祉、交通・物流など、各方面の担い手不足が激しくなり、自治体運営や地域社会の維持などが困難になる恐れがある。都市部への人口流出や少子化への対策が急務となっている。

 県全体の生産年齢人口は50年の推計値で33万3311人。20年時点の68万9910人と比べ51.7%減と、全県でも30年間で半数以下に縮小する。

 外ケ浜町は20年の2364人から50年には461人に減り、減少率は80.5%と県内最大。ほかに6町村で、減少率が70%を超える。つがる市の減少率は64.7%となり、10市の中で最も大きい。青森市の減少率が50.4%となるなど、市部でも6市で半数を割り込む。減少率が県内で最も小さかったのは、六戸町の32.8%だった。

 人口ベースでみると、50年の生産年齢人口が最少となるのは佐井村の167人。今別町が194人で次ぐ。生産年齢人口が千人未満なのは20年時点で5町村だが、50年の推計では10町村に増える。

 国勢調査と社人研推計を基に、青森県の65歳以上高齢者を支える現役世代(15~64歳)の人数を計算すると、1960年は1人を13.2人で支えていたのに対し、2050年は0.9人で支えることになる。高齢者人口よりも現役世代人口の方が少なくなる。

 県企画調整課の奥田昌範課長は「人口の年代構造の変化は、人口規模の変化以上に、社会の仕組みへの影響が大きい」と懸念を示し、「青森県に残りたい、戻ってきたい人たちの思いを実現できるような社会づくりに向け、所得の向上や経済成長、少子化対策など、課題はたくさんある。自治体や経済界、個人も含め、県全体で力を合わせて取り組まなければならない」と話した。

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