少年野球選手にサングラス 4割が疲労軽減を実感  

 少年野球選手を対象に実施したサングラスの着用に関する調査で、約4割が着用によって疲労軽減を実感したことが、屋外スポーツ時のサングラスの普及を目指す「紫外線から眼を守る会」(群馬県甘楽町)のまとめで分かった。専門家は紫外線によるダメージは眼の疾患の危険性が高まるとして、UVカット機能が付いたサングラスや眼鏡に加え、帽子の着用による二重の対策が必要だと指摘している。

 同会は2022年春以降、UVカット機能が付いた透明なサングラス30本を、甘楽・富岡地域の12の学童野球チームの140人に順次貸与した。昨年10月、このうち120人を対象にアンケートし、81人(回答率67.5%)から回答を得た。

 まとめによると、サングラスの着用で「疲れにくくなった」と答えたのは10%、「少し疲れにくくなった」は28%で、全体の約4割が着用による疲労軽減を実感した。着用による「日中の見やすさ」は「とても見やすくなった」が29%、「少し見やすくなった」が30%で、6割近くが見えやすくなったと答えた。「変化なし」は20%、「見にくくなった」は11%だった。

 金沢医科大(石川県)眼科学講座の佐々木洋主任教授と初坂奈津子助教は、少年期に紫外線を多く浴びることが、老眼や白内障など眼疾患のリスクを高めると指摘する。

 ただ、アンケートでは、これらのリスクについて「知っている」と答えた割合は32%にとどまり、「知らなかった」と答えた割合が57%に上った。紫外線を浴び続けることで、白目に黄色がかった染みができる「瞼裂斑(けんれつはん)」ができ、進行すると「翼状片(ようじょうへん)」となって手術が必要になるケースもあるという。

 佐々木教授らは子どもたちの紫外線対策として、UVカット機能付きのサングラスや眼鏡、帽子の有効性を強調。「二つ以上のアイテムの併用がさらに効果的だ」と訴えている。

 調査をまとめた同会は「屋外スポーツをする子どもが将来後悔することがないよう、サングラスの有用性を多くの人に知ってもらい、着用の普及に取り組んでいきたい」としている。

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