胃がもたれる、焼ける、早期膨満感…新たな国民病になり得る「機能性ディスペプシア」とは?

「機能性ディスペプシア」という病気をご存じでしょうか。
今、この病気になる人が増えていて、今後、日本人の新たな国民病になり得るとして、注目されています。どのような病気なのでしょうか。

日本生活習慣病予防協会が全国の消化器内科医300人以上を対象に、「今後、日本人の新たな国民病になり得る疾患」について調査した結果です。

トップに名前が挙がったのが、「機能性ディスペプシア」でした。この病気に詳しい東京慈恵会医科学の中田医師に聞きました。

東京慈恵会医科大学客員教授 中田浩二 医師
「機能性ディスペプシア、おそらく多くの人が聞き慣れない病名だと思うんですけど、病院には胃の症状で受診される方が多いんですが、実際に胃カメラとかの検査をして症状となる原因となるような疾患が特定できない。いわゆる異常が無いけども症状で困っている患者さんが大体半数いますので、かなりの方がこの病気で実際の生活で困っているのではないかと考えます」

胃の症状はあるけれど、病院の診察では異常が無い…そんな病気が「機能性ディスペプシア」なのだと言います。

2013年に、それまで神経性胃炎、ストレス性胃炎などと呼ばれていた胃の症状が統一されて、「機能性ディスペプシア」という病名が決まったのだそう。

その特徴的な症状は…

東京慈恵会医科大学客員教授 中田浩二 医師
「まず胃がもたれる感じ。胃が小さくなったような感じで、例えば食事を食べ始めてたくさん食べてない段階でもうお腹が張って苦しくなってしまってもうそれ以上食べられなくなってしまう、いわゆる早期膨満感と言われる症状。
あとは胃の辺りが痛かったり、焼けるような感じ、これが代表的な症状です」

そんな「機能性ディスペプシア」がなぜ今、日本人に増えているのでしょうか?

東京慈恵会医科大学客員教授 中田浩二 医師
「やっぱりストレスが大きな原因ではないかと考えられています。ストレスは生活していく上で必ずあるものなんですけど、それにちょっと気持ちに余裕が無くなって振り回されてしまうところがあるんじゃないでしょうか。
対人関係のストレスとか、社会的な経済的な問題であるとか、あとは仕事が多くて体がそれについていけないとか、そういうことが総合的に体に働いて、いわゆる体がSOSを出している、そんな感じではないでしょうか」

では、「機能性ディスペプシア」の予防やケアには、どんなことに注意すればよいのでしょう?

東京慈恵会医科大学客員教授 中田浩二 医師
「一回自分の生活を見直して、体に負担をかけていないか、心に負担をかけていないかをまず見直して頂いて、少し自分を緩めてあげて。
食べる物もよく噛んでゆっくり食べる、夜もゆっくり休んで、頑張りすぎないで、自分のための時間とかゆとりを持ってあげることはすごく大事かと思います」

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