外国人観光客に冬の山寺をPRするツアーが11日、山形市山寺で行われ、参加者が雪化粧された風景や寒さに耐えながらの座禅を通じ、この時季ならではの魅力を味わった。
イギリスやイタリア、フィリピンなどから6人が参加した。立石寺五大堂で絶景を楽しんだ後、冬季は通常、拝観を休止している根本中堂に移動し、座禅を体験したり、約1200年受け継がれる「不滅の法灯」を見学したりした。
座禅体験では、底冷えする畳にあぐらをかき、うっすらと目を開けて瞑想(めいそう)。住職から背中を禅杖(ぜんじょう)でたたかれながら、時折白い息を吐いて心を静めた。ドイツ・ベルリン出身で仙台市から訪れたコンスタンティン・ヘックさん(27)は「足が冷たかったが、心が穏やかになった」と話していた。
ツアーは市が企画し、新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ訪日客の本格回復に向け、自然、文化体験ツアーなどを支援する観光庁の「観光再始動事業」に採択された。山寺観光協会の英語ガイド「Yamaderans(ヤマデランズ)」が案内役を務めた。