古関裕而さん手がけた社歌、団体の歌響く 福島市で「音楽の祭典」

ロータリーソングを歌う各クラブ会員

 福島市出身の作曲家古関裕而さんが作った社歌や団体歌をテーマにした「古関裕而のまち音楽の祭典」は11日、市内のふくしん夢の音楽堂(市音楽堂)で開かれた。出演者は、古関さんが手がけた県内外の会社、団体の歌12曲を高らかに響かせ、功績をつなぐと誓った。

 市ゆかりのプロ奏者でつくる「古関裕而のまち『ふくしまチェンバー・オーケストラ』」、市内の合唱団「風」の他、各社、団体の関係者がステージに立った。福島大名誉教授の嶋津武仁さん(福島市)、作曲家岡部富士夫さん(郡山市)が指揮した。

 フィナーレを飾った「ロータリーソング『日も風も星も』」は市内外の8クラブの会員約40人が披露、奉仕の心を込めた曲を歌った。出演したパストガバナーの芳賀裕さん(福島市)は「ロータリーに古関さんの曲があることを誇りに思っている」と話した。

 音楽による福島まち造り実行委員会の主催。日本の現代音楽を米国に紹介しているミュージック・フロム・ジャパンなどが共催した。

■大作曲家による曲の魅力を再認識 社歌、団体の歌高らかに

 福島市のふくしん夢の音楽堂(市音楽堂)で11日開かれた「古関裕而のまち音楽の祭典」では、企業の関係者が社歌、団体の歌を高らかに歌い上げた。郷土の大作曲家が手がけた曲の魅力を再認識するとともに、それぞれの組織に対する愛を改めて胸に刻んだ。

 市内にある森永乳業福島工場の「森乳音頭」は1967(昭和42)年の制定。作られてから半世紀以上過ぎ、埋もれた存在になっていた。社員は昨年末から、週1回ほどの練習をこなしてきた。この日のために新調したそろいの法被に身を包んだ約20人は、「前進だ!前進だ!」の歌詞に合わせ足踏みするなど、息の合った振り付けを披露した。品質管理室の松野麻生リーダーは「歌を通して団結できた。曲を受け継いでいけたらいい」とほほ笑んだ。

 市内の日東紡福島工場の社員約30人は拳を振り上げ、「日東紡福島工場の歌」を迫力たっぷりに響かせた。

 「城南信金社歌」は昭和30年代、「信金の神様」とたたえられた当時の小原鉄五郎理事長が、古関さんに作曲を依頼したという。この日は川本恭治理事長自ら駆け付け、部下3人と共に舞台に立った。「わが業界の神様が、音楽界の神様にお頼みして完成した曲。歌うことができ、感無量。2000人の役職員全てが感激している」と言葉を震わせた。

歌詞に合わせ足踏みする社員=森永乳業福島工場
そろいの作業服で歌う従業員=日東紡福島工場
金庫歌を熱唱する川本理事長(左)ら=城南信金

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