能登半島地震の救援で石川県珠洲市に派遣された宮津与謝消防組合(京都府)の隊員がこのほど、京都府宮津市須津の防災センターで報告会を開いた。同組合は管轄エリアが丹後半島に位置する地域も多く、被災地と地理や地形が似ている点を踏まえ、隊員は道路と住居の耐震化の重要性を訴えた。
組合は府大隊救助小隊として1月4日~31日に延べ40人を派遣した。4~7日の2次、19~22日の7次に参加した4人が地震や土砂崩れで倒壊した住居に取り残された人を救助した活動を説明した。
隊長として2次派遣に参加した消防司令の森上健一さん(49)は、派遣地区が海辺で裏手に山があるなど丹後と類似していた状況に触れ「宮津与謝地域も古い木造建物が多く、半島の先はアクセスが限られる。道路整備と耐震化が重要と感じた」と振り返った。
消防司令補の山下晃正さん(43)からは「宿営地の確保ではアクセス可能な広い空き地を見つけるのに苦労した」との指摘があり、同組合は他府県の援助隊を受け入れる体制を整えるため、2021年10月に策定した「受援計画」で、宿営地の場所を「地面が丈夫でより広い場所が必要」として見直すことも明らかにした。