祝杯は「あ、忘れてた…」 星野陸也がドーハで歓喜/一問一答

星野陸也が日本勢4人目の欧州ツアーV(Octavio Passos Getty Images)

◇欧州男子◇コマーシャルバンク カタールマスターズ 最終日(11日)◇ドーハGC(カタール)◇7475yd(パー72)

27歳の星野陸也がDPワールドツアー(欧州ツアー)初優勝を飾った。本格参戦2年目の今季、昨年末の開幕2戦でいずれも2位スタート。惜敗の連続を経て、日本勢としては青木功、松山英樹、久常涼に続く史上4人目のタイトルを獲得。試合後に喜びの心境を明かした。

―最終18番(パー5)の心境は
ファーストパットをめちゃくちゃショートさせてしまった。平らなのに下りに見えてしまうくらい緊張していたので。(ウィニングパットは)1m以上ありました。芝がバミューダなのでしっかり打たなくてはいけなかった。自分の「はあ、はあ」という声が聞こえるくらいでした(2パットパーで1打差逃げ切り)。

―初優勝の気持ち
去年、オーストラリアでの2週連続2位(オーストラリアPGA選手権、オーストラリアオープン)の悔しさを晴らせた。今まで応援してくれた方々、家族には『きっと勝てる』とたくさんの言葉をもらっていた。この優勝でちょっと恩返しできたかな。

―2打差で18番に入っても安心できなかった
17番くらいでリーダーボードを確認して、相手は目の前の選手(ウーゴ・クサール/フランス)だと分かっていた。18番はティショットで左ラフよりもさらに左に行くと、砂利の中に入ってしまう。かと言って、右のラフに埋まると、セカンドは左サイドが池なので刻むのも大変。バーディを取るつもりで攻めないとボギーもあると思っていた。

―欧州ツアー通算34試合目で優勝
そんな遅くはないかな、とは思います。やっぱり去年1年間、頑張って欧州ツアーに出場し続けた経験が、オーストラリアでの2連戦、きょうのラウンドにも生きたと思う。シーズンを戦いながら、ショットの精度を上げたり、バリエーションを増やしたりしてきた。きょうは自分のメンタルコントロールがうまくいって、ショットの調子も乱れなかった。

―日本に帰りたくなった時は?
うーん。やっぱり、欧州ツアーが楽しかったので…。最初は確かに食事も含めてきつかったが、まずは好成績を出したい気持ちが一番強かった。去年は最初のドバイ(23年2月ラアス・アル=ハイマ選手権)で6位に入って、『ここで勝ちたい』という思いになった。でも、ここで戦うためにはスイングも考えなくちゃいけないと。

―欧州でショットの引き出しを増やした
欧州は突風がスゴイ。米国でもそうだと思うんですけど、アゲンストで20yd戻されることが普通にある。先週のバーレーンも“爆風”。自分は元々、低い球が好きでしたけど、さらに低い弾道の段階を増やしたいと思ってきた。風に負けず、かつグリーンで止められる球を。欧州のコースを経験して、他の選手を見て、『ああ、こういう練習をしないとな』って。

―ことしから中島啓太も欧州ツアーへ
啓太のことは学生時代から知っていますし、彼は初戦(1月)のドバイでいきなり4位に入った。一緒にプレーするのもすごく楽しみでした。ただ、自分には去年の経験もある、という気持ち。川村昌弘さんもいるので欧州はすごく楽しい。夕食もみんなで行ったりします。今週はステーキを食べに行きました。

―年間ポイントレースで2位に
やっぱり優勝ってそんなに簡単じゃない。積み重ねをいつも意識していたので、早く勝てたのはすごく良かったなと思います。今季は初優勝だけじゃなく、2勝という目標を立てたので、まずは2勝目を狙いたい。当然、オリンピック(出場)も去年から視野に入っています。

―今夜は祝杯を
試合が終わってから(薬丸龍一)キャディと2人で和食レストランに行きました。あ、確かに(勝利の美酒を)飲むの、忘れてた…。あしたくらいにお祝い、乾杯しておきます(笑)。去年から二人三脚で一緒にやって来て、お互い大変でしたけど、悔しい思いが報われてお互い良かった。よく頑張ってくれたと思います。

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