青森県八戸市のYSアリーナ八戸で開かれたスピードスケートの世界ジュニア選手権が11日、閉幕した。3、4日のジュニアワールドカップ(W杯)から2週にわたって開かれた同アリーナ初の国際大会を終え、関係者は選手らからのリンクへの高評価などに手応えを感じながらも、11月に開催される四大陸選手権など、次なる国際大会の実施に向けた課題も口にした。
熊谷雄一市長は、オープニングセレモニーの法霊神楽や表彰式の副賞で八幡馬、南部せんべいが贈られたことを受け「八戸の多様な文化に触れていただく機会も提供でき、世界に向け、八戸の魅力を発信できた」とコメントした。
同アリーナの米内正明館長は、大会を通じて自己ベスト記録を更新した選手が多数いたことに触れ「選手や国際スケート連盟の役員から『滑りやすい』『氷の質がいい』との声をいただいた」と安堵(あんど)。製氷作業を行う「エスプロモ」(八戸市)の「日夜の研究と努力の成果が出た」とたたえた。
一方で、2大会ともにコーナー部分の観客席では空席が目立った。米内館長は「ポスターの配布時期など大会の周知方法も再度検討し、今後の国際大会では観客席を満員にしたい」と意欲を口にした。
今大会では日本人選手の活躍があった一方、県勢はいなかった。今後の選手育成について、県スケート連盟の岡田英(たけし)会長は「YSアリーナ八戸のように恵まれた環境があるので、ここを生かさない手はない」と話す。「各校でスケートをしたいという子が1人、2人しかいない状況でも、連盟として指導者を付けて教える体制をこれから取っていかないといけない」と語り、高校進学をきっかけに選手が県外に流出する流れを何とか食い止めたい考えを示した。