飼い主が2度変わったプードル ヤマンバのような風貌…実は明るい甘えん坊 おひざからのアピールで「ずっとのお家」をつかんだよ

保護当初ヤマンバのような風貌だったボルト

埼玉県・茨城県の動物愛護センターに預けられた犬を主に引き取り、新しい里親さんへ譲渡する活動を行う犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)。

2023年秋、同団体にオスのプードルが引き取られました。名前はボルト。推定5歳ほどですが、少なくとも2回飼い主が変わっているそうです。人馴れしているほか、初めて会う犬とも仲良くできる性格ですが、驚かされたのは保護当時の外見。乱雑な丸刈りで頭部のみ毛が伸び放題。まるでヤマンバかとも思える風貌でした。

人に疑いを持たない根っからの人間好き

人の腕の中でスヤスヤ眠る姿が愛おしくてたまりません

リアンのスタッフはトリミングを実施。伸び放題だった頭の毛も綺麗にカットされ、見違えるほどきれいな姿になりました。

2回飼い主が変わっているボルトです。「気難しい性格なのかもしれない。新しい里親さんとのマッチングはそう簡単にいかないことも考えられる」と覚悟したスタッフでしたが、ボルトは当初こそ落ち着きのない様子を見せるだけで、明るく甘えん坊の性格。根っからの人間好きのよう。

安心したかのように眠るボルトの表情を前に、「どうしてこんなにかわいいワンコが2回も棄てられたのか理解できない」と悲しさと憤りとで、複雑な感情を抱くスタッフでした。

「不安で仕方がない」という様子

ボルトがリアンに来てから3週間後、早くも「迎え入れたい」という里親希望者さんが現れました。確かに性格良好のボルトではありますが、こんなに早く申し出があるとは!まずは、里親希望者さんの家にトライアルとして預けられましたが、甘えん坊っぷりを発揮し、里親希望者さんの膝の上へとチョコンと座ったそうです。

ボルトの元来の「人間好き」という性格もあるでしょうが、里親希望者さんから見て、その様子は愛情に飢えていて「人のそばにいないと不安で仕方ない」と感じているように映ったとのこと。そして、そんなボルトを思い切り抱きしめてあげたいとも思ったそうです。

「みんなで一緒に幸せになろうね」という願いを込めて

この里親希望者さんの家には、先住犬のチワワがいましたが、もともとが多頭飼いだったことから先住犬もすぐにボルトを認めてくれ、当のボルトもすぐに溶け込むことができました。この点、里親希望者さんは心配していましたが、それらがクリアできたことで正式にこの家に譲渡されることとなりました。

ボルト改めて幸くんという名前となり、仲間の先住犬と仲良く暮らしています

ずっと「本当の家族」を探し求めてきたボルトですが、この里親さんの家では「幸(コウ)くん」という新しい名前を付けてもらいました。

この名には「みんなで一緒に幸せになろうね」という願いが込められていると言います。ボルト改め幸くんは、本当に「ずっとのお家」をここでつかむことができました。この温かい家、そして仲間となる先住犬と一緒に、いつまでも幸せに過ごしてほしいと願うばかりです。

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(まいどなニュース特約・松田 義人)

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