築49年の木造2階建て… 無料耐震診断の結果は『不合格』 建築士「どこが危険かわかるのでぜひ診断を」 静岡県 

能登半島地震から1カ月以上が経ったものの、いまだ全容が見えない被害。ただ、その中でも木造住宅の倒壊が多かったことはわかっています。南海トラフ巨大地震が想定される県内でも決して他人事ではありません。

静岡市清水区在住、築49年の木造2階建てに住む鍋田さん。先日お願いした、「無料耐震診断」の結果が届きました。

無料耐震診断

池ヶ谷一級建築士事務所 池ヶ谷紀行さん(1月26日):「はい、大丈夫ですね。基礎は…」

静岡県では2001年から、県と自治体が連携した木造住宅の耐震化プロジェクトの一環で、無料耐震診断を行っています。これまで県内全域で9万戸以上を診断してきました。

耐震診断の様子
建築士「瓦はそのままですか?」
住民「そのままです。直したところはひとつもない」

被災地の木造住宅の姿に衝撃

鍋田さんがこの無料耐震診断を申し込んだのは去年12月。その後に能登半島地震が発生しました。被災地の木造住宅の姿に衝撃を受けたといいます。

鍋田正夫さん(77):「あの地震にはびっくりした。こっちもあんな地震が来たら…。大変だと思いますから」

鍋田さん「ここがちょっと気になりますね」
池ヶ谷さん「2階にかかっちゃうね」

調査では、補強工事の有無などを聞き取りしながら、基礎や外壁などの劣化具合が調べられました。

それから、10日ほどが経った6日。鍋田さんに診断結果が伝えられました。

外壁のひび割れなど劣化が進み『不合格』

鍋田さん「不合格ってこと?」
池ヶ谷さん「不合格というか… この診断によると“危ない”という」
鍋田さん「耐震工事をやったほうがいいということ?」
池ヶ谷さん「そうですね」

結果は不合格。外壁のひび割れなど、至る所で劣化が進み、大きな揺れに耐えられないことが主な理由です。

仮に耐震化をする場合には、少なくとも100万円以上の費用が掛かるとみられ、予算50万円程度だという鍋田さんも頭を悩ませているといいます。

鍋田正夫さん(77):「不合格という判定が出たので、能登半島地震のこともあって、あんな揺れがきたら耐えられないと思うので、池ヶ谷さんと相談してじっくり考えたい」

池ヶ谷一級建築士事務所 池ヶ谷紀行さん:「無料診断をすることによって、自分たちの家のどこが危ないか分かってくるので、ぜひ無料診断をやっていただきたい」

(2月8日放送)

© 静岡朝日テレビ