広島カープの日南キャンプは、沖縄に向けて大詰めを迎えています。
石橋真 アナウンサー
雲ひとつない青空が広がっています。宮崎・日南市の天福球場です。
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
暑いですね。
石橋真 アナウンサー
気温14℃なんですけど、それ以上のぬくもりを感じませんか。
天谷宗一郎 さん
感じます。背中に当たる日差しが本当に暑い。
石橋真 アナウンサー
きょうだけではなく、この3連休はいずれも大勢のファンが訪れました。
天谷宗一郎 さん
本当にたくさんの方が選手を後押ししていました。いい雰囲気でした。
2月10日(土)
まずは土曜日、日南キャンプ最後の週末ということもあり、球場にはおよそ7000人のファンが詰めかけました。
この日から、8日のシート打撃でアピールに成功した 塹江敦哉 と、2軍で調整を続けていたドラフト1位ルーキー・常廣羽也斗 が1軍に合流しました。
沖縄行きをかけたポジション争いがヒートアップする中、大瀬良大地 が、このキャンプ3度目のブルペン入り。右ひじの手術後、初めてキャッチャーを座らせると変化球を中心に40球を投げ、右ひじの状態を確認。今後の実戦に向けて調整を続けます。
広島カープ 大瀬良大地 投手
「きょうは変化球をメインに投げたので、次はもう少しコースに寄ってもらって、まっすぐと変化球、ふつうにブルペン投球をやっていけたらいいかなと」
矢崎拓也 & 栗林良吏 スタメン発表
そして、この日、紅白戦の選手紹介を 矢崎拓也 と 栗林良吏 が担当。球場に詰めかけたファンをわかせます。
広島カープ 栗林良吏 投手
「1番、レフト、野球ひとすじ、中村奨成」
今シーズンから外野手ひとすじの 中村奨成 が持ち前の打撃力を見せつけます。
広島カープ 矢崎拓也 投手
「ハム(太もも)のけがに気をつけてください、久保、背番号56」
こちらも外野手争いに名乗りを上げる 久保修 。ヒットで出塁すると、すかさず盗塁を成功させます。
栗林良吏 投手
「何もないです。持丸」
また、2軍から紅白戦のために呼ばれた5年目の 持丸泰輝 は、2打席連続安打で “実は持っている” 所をアピールしました。
広島カープ 持丸泰輝 選手
「初球からどんどん積極的に自分の力強いスイングをしようというふうに、ずっと心がけていたので、それが結果、2打席ともいい形になったのでよかったなと思っています」
2月11日(日)
そして、11日は、ドラフト1位ルーキー・常廣羽也斗 が、1軍のブルペンへ―。黒田博樹 球団アドバイザーからも「ものが違う」と言わしめる期待のルーキーは、感触を確かめながら少し軽めに34球を投じました。
広島カープ 常廣羽也斗 投手
「バランスとどのくらい投げられるかというところです。緊張感もありますし、気の張った練習ができているなと思います」
午後からは連日の紅白戦。注目選手が期待どおりのプレーを見せます。まずは、先発した 斉藤優汰 。先頭バッターにこそフォアボールを許しますが、その後は安定感を取り戻します。
自らも、「強いストレートを投げられた」と最速151キロをマーク。課題も残りましたが、成長を感じさせるマウンドとなりました。
広島カープ 斉藤優汰 投手
「まっすぐは強さもありましたし、初回、フォアボールを出して以降はある程度、まとまって投げれたかなと思うので、そのへんはよかったかなと思います」
野手では、このオフ、バッティングフォームをいちから作り直した 坂倉将吾 。実戦形式で待望の初ヒットを放つと、続く打席でもライト前に運び、着実に調整が進んでいきます。
そして、侍ジャパンの 井端弘和 監督も絶賛した3年目の 田村俊介 。天性のバットコントロールを生かし、2打席連続安打。日南で “最も振れている” 若鯉が、外野のレギュラー争いをリードしています。
アピールの場は打撃だけではありません。矢野雅哉 は、持ち味の “鉄砲肩” を見せ、得意分野で存在感を見せました。
石橋真 アナウンサー
この紅白戦の様子を見ると、みんながアピールしている感じです。
RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
そうですね。試合前、スタメンの発表のときはすごくやわらかな雰囲気ではあったんですけれども、プレイボールと同時に選手たちの目の色は変わりました。
石橋真 アナウンサー
新井貴浩 監督も「とにかく全選手、支配下の選手、育成選手みんながアピールしている。見ているわれわれも楽しいです。報道陣のみなさんも楽しいでしょ」と、そんなやり取りができるぐらいです。この土日のキャンプ、紅白戦は非常に盛り上がりました。
そして、きょう(12日)は紅白戦ではなく、主にシートバッティングが行われました。複数のピッチャーが投げたんですけども、天谷さんが気になるピッチャーが2人いました。
2月12日(月)
天谷宗一郎 さん
1人目は、去年、フル回転の 大道温貴 投手です。実績十分ではあるんですけれども、きょうもストレートのみで打者4人に対してしっかりとストライク先行で投げていました。投球フォームを見ても非常にバランスよく投げられていたんじゃないかなというふうに思います。
石橋真 アナウンサー
まだキャンプが始まって半月経っていない。この状況はどう見たらいいですか?
天谷宗一郎 さん
非常に順調に来ているんじゃないかなと思いますし、初実戦だったので、もう少しばらつくかなというふうに思ったんですけれども、そういった心配は一切なかったです。首脳陣も「ああ、ことしもやってくれる」というふうに期待してるんじゃないかなと思います。
石橋真 アナウンサー
去年、つかんだ自信がこういう頼もしさにつながっているんでしょう。
天谷宗一郎 さん
もう1人は、ルーキー、杉田健 投手です。ことし、入団したばかりの育成選手で1軍が初舞台。
石橋真 アナウンサー
今回のために2軍から呼ばれて、「さあ、どうぞ」だったんです。
天谷宗一郎 さん
そのピッチャーがまず自分の持ち味である投球フォームを変える。足を上げてからのフォームを変えたり、セットに入ってから間を変える。この自分の持ち味を全て出せるという、この大舞台で出せるっていうところにわたしは少し驚きました。
石橋真 アナウンサー
きょう、2軍の首脳陣からは「がんばれよ」と声をかけられたそうです。「その瞬間から緊張しました」って話をしていましたが、それでも相手を見ながらこの足の上げ下げ、工夫をちゃんと意識的にできる。大物の器を感じませんか。
天谷宗一郎 さん
本当に肝がすわっているなと思いますし、投げ終わったあと、非常にニコニコしていたって言っていましたから。本当に楽しみな選手が加入してくれました。
石橋真 アナウンサー
球速149キロ、このあたりを見ても楽しいんじゃないですか。
天谷宗一郎 さん
この時期に149キロ、なかなか聞いたことがないですから。もっと暖かくなってきたから、どれぐらいのスピードが出るのか、そして本人が言う “ギャンギャン曲がるスライダー” 、どれだけ曲がってくるのかっていうところも注目です。
石橋真 アナウンサー
伸びしろはそうとうありそうです。この若い投手を中心に日南キャンプ初日から指導に当たっていらっしゃったのが、黒田博樹 球団アドバイザーです。このキャンプを振り返ってくれました。
広島カープ 黒田博樹 球団アドバイザー
「オフの間にしっかり準備をして、この春のキャンプに覚悟を決めて入ってきたという、そういう感じを受けますね」
― 常廣羽也斗 投手について
「ドラフト1位というだけあって、やっぱりいいものを持っているなと思いますし、今後は非常に楽しみかなと思います」
― 斉藤優汰 投手について
「持っているポテンシャルっていうのは非常に高いピッチャーですし、すごく吸収力も高いので、いろいろ指導していてもすごく楽しみというか、そう思わせるピッチャーだと思いますね。引き出しというか、そういうものをたくさん提供できればいいかなと思います」
「楽しみなピッチャーがたくさんいるのでね、これから実戦がどんどん入っていく中でどういった結果を残していってくれるかなっていう楽しみもありますし、また、どういうピッチャーが開幕を1軍で迎えて、そして。また、ことし1年間、どういうパフォーマンスを見せてくれるかなっていうのは楽しみですね」
石橋真 アナウンサー
この黒田球団アドバイザーの存在をどう見ていますか?
天谷宗一郎 さん
本当に心強いんじゃないかなと思いますし、やっぱり一言ひとことの重みっていうのがすごいと思うんですよね。若い選手にとっては非常に貴重な時間っていうのを共有していると思うので、言い方はおかしいかもしれないですよ。うまく、黒田さんの存在というのを利用してほしいなと思います。
石橋真 アナウンサー
新井監督もおっしゃっていました。黒田さんに今回は “見える部分” 、“見えない部分” でもいろんなアドバイスを若い選手に送ってくれたと。初日からこうやってアドバイスを送ってくれて感謝いっぱいですという話をしていました。
日南キャンプは、あす13日が打ち上げ、そして沖縄キャンプがこの週末からということになります。
青山高治 キャスター
本当にここまで順調ですね。
コメンテーター レイチェル・ニコルソン さん(翻訳者 広島在住16年)
本当にそうなんですよね。若いピッチャーがものすごいスピードのボールを投げられるし、なにより頼もしいアドバイザーがいるっていうことで、もう、ことしは間違いないんじゃないかなと思います。
青山高治 キャスター
そうなんです。毎年、そう思うんです。特にことしはすごくピッチャー陣を中心によさそうなんです。
田村友里 キャスター
ですよね。しかも今後、沖縄に向けて1軍・2軍の入れ替えがあったりとかするので、選手たちもアピールしなきゃっていうので今、必死な時期ですから。
青山高治 キャスター
黒田アドバイザー自身が指導していても楽しみなピッチャーが多いんだと、あの言葉がうれしかったですよね。
田村友里 キャスター
黒田さんの前で投げるのはちょっと緊張しそうですけどね。
青山高治 キャスター
いつもブルペンのこのへんにいますからね。緊張するんだろうなと思いながらね。