「驚異的なパフォーマンス」中東メディアがアジアカップ大会ベスト11を選出「勇気が感じられるシーンだった」日本、韓国、イラン、豪州からは0人【アジア杯】

UAEメディア『The National News』は2月11日、開催国カタールの大会連覇で幕を閉じたアジアカップのベスト11を選出。優勝したカタールから大会MVPと得点王に輝いたアクラム・アフィフら最多5人を選んだ。

同メディアが選んだ11人は次のとおり。

GK:メシャール・バルシャム(カタール)、所属クラブ:アル・サッド(カタール)
開催国のGKは大会2連覇に不可欠だった。7試合でわずか5失点。準々決勝のウズベキスタンとのPK戦では、3本を止める信じられないセービング。大会を通じて好パフォーマンスを見せた。決勝のヨルダン戦でも素晴らしい反射神経で好セーブを見せ、大会最優秀GKに選ばれた。

DF:ルーカス・メンデス(カタール)、所属クラブ:アル・ワクラ(カタール)
カタールの守備は、GKバルシャムひとりが貢献したわけではない。最終ラインも非常に堅固で、なかでもメンデスは際立っていた。左利きのCBは3バックでも4バックでも快適にプレー。準決勝のイラン戦では重要なゴールラインブロックを見せ、クリア数は大会トップを記録した。
DF:アルマフディ・アリ・ムフタル(カタール)、所属クラブ:アル・ワクラ(カタール)
経験豊富なCBはメンデスとともにカタール最終ラインの真ん中に入り、相手の攻撃を跳ね返した。全7試合中5試合に先発。ピッチ上での影響力はチャンピオンチームには極めて重要だった。準々決勝ウズベキスタンとのPK戦でシュートを外したが、それが彼の評価を損ねるものではない。

DF:ヤザン・アル・アラブ(ヨルダン)、所属クラブ:アル・ショルタ(イラク)
今大会のヨルダンの驚異的なパフォーマンスは、鋼のような決意の上に築かれたもの。その中心選手として、必要な時に頼れる存在だった。優れた守備に加えて、セットプレー時でも相手に脅威を与えた。イラクとのラウンド・オブ16では90+5分に同点ゴールを決めている。

MF:アーメド・ファテヒ(カタール)、所属クラブ:アル・アラビ(カタール)
2022年カタール・ワールドカップのメンバーに入れなかった31歳が、チームの中盤に欠かせないピースだった。サブでメンバー入りしていた2019年大会の優勝から一転、レギュラーとしてアジアカップ2連覇を達成。守備的MFとして極めて重要な活躍を見せた。
MF:アリシェル・シュクロフ(タジキスタン)、所属クラブ:ディナモ・トビリシ(ジョージア)
FIFAランキング106位(アジア19位)のタジキスタンが準々決勝まで勝ち上がった。今大会の“ビッグ・ストーリー”のひとつに挙げられる躍進は、中盤で攻撃のリズムを作り出す21歳の新星が見せたパフォーマンスによるところが大きい。その役割と責任感に相応しく、PK戦となったラウンド・オブ16のUAE戦では5人目のキッカーとして勝利を決定付けるゴールを決めた。

MF:アクラム・アフィフ(カタール)、所属クラブ:アル・サッド(カタール)
優勝チームの“ポスター・ボーイ”は、今大会のベストプレーヤーに選出されるに相応しい活躍だった。開幕マッチでの大会オープニングゴールに続き、ファイナルではカタールの3つのPKをすべて決めきった。持ち前の勇気が感じられるシーンだった。攻撃にも守備にも献身的。8ゴールで得点王となり、大会MVPを受賞。最高のインパクトを残した。

MF:ムサ・アル・タマリ(ヨルダン)、所属クラブ:モンペリエ(フランス)
大会最優秀選手にはカタールのアフィフが選ばれたが、準決勝の韓国戦で見せた1ゴール・1アシストの活躍は今大会の記憶として語り継がれるものだ。53分に最高のラストパスでヤザン・アル・ナイマトのゴールをお膳立てし、66分には自慢の左足で鮮やかなフィニッシュ。見事に韓国を沈めて見せた。決勝のカタール戦でも、何度もゴールに襲い掛かった。
FW:オデイ・ダバー(パレスチナ)、所属クラブ:シャルルロワ(ベルギー)
祖国が戦禍に見舞われるなか、パレスチナ代表の面々は驚くべき決意を示した。出場3大会目にして、グループステージ第3節の香港戦で史上初となる勝利を記録。初めて勝ち上がったラウンド・オブ16では優勝したカタール相手に1ー2と接戦を演じた。香港戦で2ゴール、カタール戦で1ゴールを挙げたのが、不屈の魂を見せたこのCFだ。彼のゴールは希望そのものだった。

FW:ヤザン・アル・ナイマト(ヨルダン)、所属:アル・アハリ(カタール)
ヨルダンのアル・タマリと同様に今大会で名声を高めたCFだ。グループステージの韓国戦、ラウンド・オブ16のイラク戦、準決勝の韓国戦、決勝のカタール戦でそれぞれゴールを決めて計4得点。得点ランキング3位タイに入った。イラク戦の独走&ループも衝撃だったが、決勝で見せたグッドコントロールからの豪快な一発は圧巻だった。

FW:アイメン・フセイン(イラク)、所属クラブ:アル・クワ・アル・ジャウィヤ(イラク)
イラクはベスト16で敗れ去ったものの、パワフルなストライカーは得点ランキングで2位となる6ゴールを4試合で決めた。グループステージでは優勝候補筆頭の日本相手に2点を叩き込んで信じられない勝利の立役者となり、続くベトナム戦では73分のヘッドに続いて90+12分にPKを決めている。退場してしまったが、ラウンド・オブ16のヨルダン戦でも右足を振り抜いて豪快な一撃を見舞った。

同メディアは優勝したカタールから5人、準優勝のヨルダンから3人に加え、タジキスタン、パレスチナ、イラクからそれぞれひとりを選出。準々決勝で消えた日本とオーストラリア、準決勝で敗退した韓国とイランからは誰も選ばなかった。

構成●THE DIGEST編集部

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