能登半島地震の2次避難者支援へ…生活や仕事の悩み相談対応 「ひとりじゃないよプロジェクト・福井」

「ひとりじゃないよプロジェクト・福井」世話人代表の内山秀樹さん(右)とメンバーの坂野靖子さん=2月2日、福井新聞社

 2011年の東日本大震災後に福井県内に避難した人々を支援してきた団体「ひとりじゃないよプロジェクト・福井」が、能登半島地震の2次避難者支援に乗り出している。福井県のまとめによると、県内で150人超(2月5日現在)を受け入れており、生活や健康、仕事、将来への不安など幅広い悩みに寄り添う考え。「問題を抱え込まず、気軽に連絡してほしい」と呼びかけている。

 同団体は11年6月に発足し、避難者の生活支援やネットワークづくり、相談事業などに当たってきた。新型コロナウイルス禍の中では生活困窮者支援にも取り組んだ。能登半島地震を受け、多くの被災者に関わってきた経験やノウハウを生かそうと活動を展開する。

 現在、石川県輪島市から福井県あわら市内のアパートに避難している高齢者を含む家族3人のサポートに当たっており、必要な食品や日用品などを提供している。

 同団体メンバーの坂野靖子さん(65)=同市=は「東日本大震災もそうだったが、避難者は『皆さんのおかげで生き延びられ、本当にありがたい』などと周囲への感謝の気持ちが本当に強い」と指摘。一方で、不慣れな環境で知り合いもいない避難者にとっては、「信頼できる支援者が長く付き合っていくべきだ」と強調する。

 世話人代表で仁愛女子短期大学名誉教授の内山秀樹さん(66)=同県越前市=は「発生から1カ月余りたち、被災地から離れて生活している罪悪感や長引く避難生活への不安などから、精神的に不安定になりやすい時期。心のケアが大切で、避難者の話に耳を傾けていきたい」と話す。

 物資の提供では「行政が支援できる日用品は限られており、足りない部分もある。ニーズを聞きながらきめ細かくサポートしていきたい」としている。

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 同団体の連絡先などを記したチラシを作成し、嶺北の各市町を通じて、2次避難者に活動を周知している。内山さんは「まずは避難者に団体や活動を知ってもらいたい。気軽に連絡してほしい」と呼びかける。

 同団体への連絡・相談は専用窓口=電話090(1310)9674か、専用ラインアカウントから。県内各地で支援活動に協力してくれるメンバーも専用フォームで募っている。

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