仏独ポーランド、ロシアの政治宣伝工作に対抗する協力制度を創設

John Irish

[ラセルサンクルー(フランス) 12日 ロイター] - フランスのセジュルネ外相は12日、ドイツのベーアボック外相、ポーランドのシコルスキ外相との会談後の共同会見で、6月の欧州連合(EU)欧州議会選挙や7月から始まるパリ五輪などを控え、ロシアによる政治宣伝工作の活発化に対する警戒感をにじませ、インターネットを経由したそうした活動を検知して対抗するための協力メカニズムを創設したと明らかにした。

セジュルネ氏は「欧州の選挙や、フランスの場合は五輪もある中で、われわれは(ネットを通じた宣伝工作に対して)脆弱になる局面に入っている」と強調した。

3カ国外相会談に先立ちフランス外務省筋は、外国からのデジタルを通じた干渉を監視する同国機関が、ロシアのための情報拡散を目的として立ち上げられているウェブサイトが193件ほど存在することを突き止めた、とメディアに説明した。

これらのサイトの狙いはロシアのウクライナ侵攻の正当化や、ウクライナとウクライナ指導者に対する誹謗中傷にある、とフランス外交官の1人は指摘する。

フランス当局によると、こうしたサイトはまだネットの世界にほとんど浸透していないものの、EUや米国の選挙、あるいはパリ五輪などの時期になれば大量の有害な情報を広めかねないという。

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