長崎ランタンフェス 厳かに「媽祖行列」 はじける爆竹、響く銅鑼 110人練り歩き

華やかな中国衣装をまとった一行が市民や観光客を魅了した「媽祖(まそ)行列」=長崎市浜町

 長崎ランタンフェスティバルのメインイベントの一つ「媽祖(まそ)行列」が11日、長崎市中心部であった。華やかな衣装を身にまとった約110人の市民が、爆竹や太鼓、銅鑼(どら)の音を響かせながら厳かに練り歩いた。
 「媽祖」は中国で信仰されている航海安全の神。行列は、江戸時代に長崎に入港した唐船から媽祖の像を降ろして唐寺に安置する「菩薩(ぼさ)揚げ」から出港時に船に戻すまでを再現している。市民団体「長崎ネットワーク市民の会」が中心となり、同フェス開催当初から取り組んでいる。
 この日は菩薩揚げがあり、唐船を模した山車に媽祖像と荷主夫妻役を乗せ、長崎孔子廟(びょう)(大浦町)から中央公園(賑町)まで約3時間かけ運んだ。眼鏡橋などでは、魔を振り払う祭官「直庫(てっこ)」役や媽祖の守護神「順風耳(じゅんぷうじ)」「千里眼」役が演舞を披露し、観衆を沸かせた。
 ベルナード観光通りで家族と見た市立三重中3年の前田柚香さん(15)は「媽祖行列は初めて。チャイナドレスの人たちが華やかでかわいかった。行列の中で歩いてみたい」と話した。
 18日は媽祖像を船に戻す「菩薩乗せ」がある。午後1時に中央公園を出発し孔子廟に戻る。

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