朝乃山「高い目標持つ」 大関復帰・横綱へ意欲

今後の抱負を考えながら笑顔を見せた朝乃山=北日本新聞社

 氷見市に能登半島地震の義援金を贈った大相撲の元大関で幕内の朝乃山(29)=富山市出身、高砂部屋。13日は贈呈式に先立って北日本新聞社で取材に応じ、3月1日に迎える30歳の抱負などを語った。「もう時間がないので、現役でいる限りは高い目標を持ってやっていきたい。大関に戻って、もう一つ上の番付を目指していく」と大関復帰や横綱昇進に意欲を燃やした。

 朝乃山の帰郷は昨年9月以来。5カ月ぶりの古里富山で「おいしいご飯を食べて英気を養いたい」とリラックスした表情を見せた。

 3月の大阪場所は、30歳になって迎える最初の本場所だ。自身が近畿大時代に過ごした思い入れのある地でもある。直近の2場所は足のけがの影響で休場があり、不本意な戦いが続いたが「けがはもう大丈夫。15日間、しっかりと皆勤できるように体をつくり、優勝争いに加われるように頑張りたい」と語る。

 初場所で途中休場しながらも9勝したことで、大阪場所は再び上位陣との対戦が予想される。対戦成績で6戦全敗中の横綱照ノ富士のほか、豊昇龍、琴ノ若といった自身より若い大関らが立ちはだかる。「若い人には負けたくないという気持ちはある。ただ、自分の相撲を覚えられているので、いかに自分の相撲の型に持っていくか。そこが勝負だと思う」と冷静に分析した。

 背中を力強く押してくれるのがファンの応援だ。地元の富山市呉羽地区で住民が本場所の会期中にパブリックビューイングを行っていることに触れ「元気を与えられるような相撲を取っていきたい」。東京の両国国技館でも自身の応援タオルや声援の多さを感じていると言い「非常にうれしいこと。力に変えて戦っていきたい」と活躍を誓った。

 取材の最後に、30歳の目標を色紙に書いた。約3分間じっくり考えて、選んだ言葉が「復活」。その2文字に再起への覚悟がにじんでいた。(岸弦太)

初場所を振り返り今後の抱負を語る朝乃山
北日本新聞社にあいさつに訪れた朝乃山
色紙に「復活」と抱負をしたためた
「復活」としたためた色紙を手に笑顔を見せた

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