徽州古建築を訪ねて シリーズ①「建築の美」 中国安徽省

徽州古建築を訪ねて シリーズ①「建築の美」 中国安徽省

安徽省黄山市黟県の宏村。(1月26日、小型無人機から、合肥=新華社配信/施亜磊)

 【新華社合肥2月13日】中国安徽省黄山市。かつて徽州と呼ばれたこの地の景色はどこも美しく、中でも中国伝統建築様式の一つ「徽派建築」は秀麗な山水の間に描かれた変化に富む一筆といえる。徽州三絶と呼ばれる民家、祠堂、牌坊(はいぼう)は周辺の山々と美しい景観を織りなし、建物に施された木彫や石彫、磚彫(せんちょう、れんが彫刻)は画竜点睛の筆として、人々の徽州文化への思いを引きつけている。

徽州古建築を訪ねて シリーズ①「建築の美」 中国安徽省

安徽省黄山市黟県の宏村。(1月26日撮影、合肥=新華社配信/施亜磊)

 かつての徽州には1府6県があり、現在の安徽省の黄山市歙(きゅう)、黟(い)、休寧、祁門(きもん)各県、宣城市績渓(せきけい)県、江西省の上饒(じょうじょう)市婺源(ぶげん)県にあたる。千年余り前、徽州の人々は山を背に、川に臨んで宗族ごとに居を構え、独自の建築様式を創り出した。徽派建築は現在、中国古建築の宝、中華民族文化のシンボルになっている。

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安徽省黄山市黟県の宏村。(2022年9月1日、小型無人機から、合肥=新華社記者/周牧)

 徽州三彫は徽派建築の特徴を最も備えた建築要素の一つで、歴史は宋代にさかのぼる。元末明初から清末民初にかけて、儒教と学問を重んじる徽州商人が次々に故郷に戻り、邸宅や宗祠(一族の祖先を祭る祠)、牌坊を建設。三彫の技法で彫刻を施し、徽派建築の装飾様式を確立した。

徽州古建築を訪ねて シリーズ①「建築の美」 中国安徽省

安徽省黄山市黟県の宏村。(2020年10月23日撮影、合肥=新華社記者/周牧)

 古民家は徽州三絶の筆頭であり、黟県宏村には明清時代の民家140軒余りが保存されている。大型民家の「承志堂」は「民間故宮」「徽州木彫の集積地」と呼ばれ、足を踏み入れると彫刻芸術に囲まれた気分になる。

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安徽省黄山市黟県西逓村の家屋に残る石彫装飾。(1月26日撮影、合肥=新華社配信/施亜磊)

 徽州三彫は2006年、第1次国家級無形文化遺産に登録され、08年には徽派伝統民家の建築技法も登録された。

徽州古建築を訪ねて シリーズ①「建築の美」 中国安徽省

安徽省黄山市黟県の宏村。(1月26日、小型無人機から、合肥=新華社配信/施亜磊)

 歙県にある安徽省行知学校は、伝統技法を後世に伝えるため徽派古建築産業学院を設立。高い技能を持つ専門家20人余りを招へいして若い世代の無形文化遺産継承者を育成し、徽派古建築の伝承に革新を起こしている。(記者/劉美子、汪海月)

徽州古建築を訪ねて シリーズ①「建築の美」 中国安徽省

安徽省黄山市歙県の行知学校で、無形文化遺産の木彫制作を学ぶ生徒ら。(1月12日撮影、合肥=新華社記者/周牧)

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安徽省黄山市黟県の西逓村。(1月26日、小型無人機から、合肥=新華社配信/施亜磊)

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安徽省黄山市歙県にある許国石坊。(1月12日撮影、合肥=新華社記者/周牧)

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安徽省黄山市黟県西逓村の家屋に残る木彫装飾。(1月26日撮影、合肥=新華社配信/施亜磊)

徽州古建築を訪ねて シリーズ①「建築の美」 中国安徽省

安徽省黄山市黟県の宏村。(1月26日撮影、合肥=新華社配信/施亜磊)

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安徽省黄山市黟県西逓村の家屋に残る木彫装飾。(1月26日撮影、合肥=新華社配信/施亜磊)

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