豪貿易相、中国商務相と会談へ 貿易制限や豪作家への判決巡り

[キャンベラ 13日 ロイター] - オーストラリアのファレル貿易相は13日、アブダビで今月開催される世界貿易機関(WTO)の会議で中国の王文涛・商務相と会談し、豪州産ワイン、ロブスター、食肉の輸入制限解除を求める方針を示した。

豪公共放送ABCに述べた。スパイ容疑で拘束された中国系オーストラリア人作家ヤン・ヘンジュン(楊恒均)氏に執行猶予付きの死刑判決が今月言い渡された問題についても協議する方針という。

ファレル氏は判決に「驚愕(きょうがく)」しているとした上で、両国関係が軌道から外れるべきではないとの認識を示した。

中国はオーストラリア政府が新型コロナウイルスの起源を巡る調査を呼びかけたことを受けて豪州からの輸入を制限したが、その後、大半の輸入制限を解除。現在はワイン、ロブスター、一部の食肉処理場で生産された食肉の輸入を制限している。

ファレル氏は「対中輸出に影響を及ぼしている残る全ての障害を取り除くよう引き続き求めていく。今月のWTO会議で王文涛・商務相と建設的な協議を続ける方針だ」と述べた。

WTOの会議は今月26─29日に開催される。

ファレル氏は、中国政府が政策の見直し期限である3月31日までに豪州産ワインの関税を撤廃しなければ、WTOで改めて異議を唱える方針を示した。

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