アラーム見逃され、入院中の80代女性が死亡 尼崎総合医療センター、県が遺族に賠償へ

兵庫県立尼崎総合医療センター=尼崎市東難波町2

 兵庫県は13日、県立尼崎総合医療センター(尼崎市)に入院していた80代女性について、血中酸素濃度の低下を知らせるアラームが作動していたのに看護師が見逃し、意識障害となった後に死亡したと発表した。県は遺族に損害賠償として2150万円を支払って和解する方針で、県議会2月定例会に関連議案を提出する。

 県病院局によると、女性は2021年9月に転倒して同センターに救急搬送され、気管切開した。同年12月に気管孔を閉じるため再入院したが、酸素濃度低下のため午前に予定していた閉鎖処置を延期。午後1時ごろ、主治医が病室で心肺停止状態にあるのを発見した。女性は意識が戻らず、23年2月に死亡した。

 同局によると、スタッフステーションでは正午過ぎに酸素濃度の低下を知らせるアラームが鳴りモニターの波形が異常を知らせていたが、監視のために常駐すべき看護師が他の患者に対応していて不在だった。

 同センターは再発防止策として、アラームの警戒音を段階的に変化させる機能を加え、看護補助スタッフを3人から4人に増員したという。(金 慶順)

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