バレンタイン直前! 『愚かな天使は悪魔と踊る』『道産子ギャル』など熱いラブコメ作品

毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。2月5日から2月11日に放送された分から注目の“神回”をピックアップ!(編集部)

2月も中旬に差し掛かり、早くも冬アニメが折り返し地点を迎えています。そのせいか今週は「いい回だな~」と感じさせられることばかり。『異修羅』はこれまで個別に紹介されてきた最強キャラたちが絡み始め、『ラグナクリムゾン』や『シャングリラ・フロンティア』は強敵との熱いバトルを終え(どちらも本当に燃えた)、『魔法少女にあこがれて』は赤ちゃんプレイでお漏らし……とそれぞれに際立ったエピソードを繰り出してきました。

というわけで今週はそのなかでも一番“よさ”を感じられたラブコメから紹介します。

●乾坤一擲のラブコメ度MAX『愚かな天使は悪魔と踊る』

『愚かな天使は悪魔と踊る』は、悪魔の主人公と天使の美少女による学園ラブコメで。先週紹介したTMRパロディのように、これまでは“コメ”が強かったものの今週の第5話「Turning point」は“ラブ”全開。悪魔と天使がお互いに自身の魅力を見せつけて相手を落とそうとするものの、逆に同時に落とされてしまうというお話でした。

それに合わせてか上記したツイートにあるアクションを始め絵が普段以上に高クオリティで、ふたりの心象に合わせて戦う脳内アバターのボクサー(CVは豪華に野沢雅子さんと田中真弓さん)も激しくバトル。自分は、こういった「やるべき時にきちんとやる」アニメに弱い。

『ゆびさきと恋々』で逸巨と雪が付き合い始め、『僕の心のヤバイやつ』で山田が初めて市川への思いを吐露したという甘々な一週でしたが、それらは恋愛アベレージが高い分、今週は意外性のあった『愚かな天使は悪魔と踊る』に軍配をあげたいです。

●CMとの連携プレイに泣かされた『道産子ギャルはなまらめんこい』

バレンタインが近いということで、北海道北見市の高校を舞台にしたラブコメ『道産子ギャルはなまらめんこい』でもバレンタインエピソードが展開。第5話「なまら苦くてなまら甘い」では、ヒロインの道産子ギャル・美波が主人公や友達にあげるためにチョコレートを作りますが、そこで醤油を盛大にこぼしてしまうというトラブルが発生し、手作りチョコが台無しに。

それでも健気な姿勢を崩さない美波にジンとくる……というところでAパートが終わると「全米が泣いた!」というお決まりのフレーズから始まる映画『パリピ孔明 Road to Summer Sonia』のCMがスタート。バレンタインデー当日、美波から既製品の友チョコをもらって「手作りじゃないのか」と喜ばない人でなしの男子クラスメイトや、唐突にピアノを弾いて美波を励ます主人公などほかにもツボを押されるポイントはありましたが、個人的にはこのCMのタイミングのよさが脱帽ものでした。

●しみじみといい『ドッグシグナル』

新人ドッグトレーナーがさまざまな犬と出会い、成長していく『ドッグシグナル』。ここ最近いいエピソードが続いていましたが、今週の“定年離婚”によってひとりで暮らすことになった小山田さんが、オールドイングリッシュシープドッグのリボンちゃんと向き合う第15話「おじさんと老犬」は特によかった。

リボンちゃんの調子がおかしいことから、彼女(?)も老齢であることがわかり、その事実を受け入れて共に歩んでいこうとする小山田さんの姿に胸を打たれます。このエピソードは原作マンガで一番人気だそうなのですが、それもわかる純粋に“いい話”。それだけに、それだけに以下のエピローグも映像で観てみたかった(ぜひ本編視聴後にご覧ください)。

●週末の締めくくりに完璧にととのう『休日のわるものさん』

悪の組織で「ショーグン」と呼ばれ、地球防衛組織と日々死闘を繰り広げる男の穏やかな休日を描き続ける『休日のわるものさん』。これまでも『のんのんびより』か『ARIA』か『オチビサン』かと言わんばかりのチルさでしたが、3本立て構成の第6話「夏に願うもの」はこれまでにないチルさ。特に海で水着の少女と心を通わせる5分ほどのBパートは非常にゆったりとした映像で、しかもほぼ無声で進行する大胆さを見せました。

ヒーリングコメディを謳う本作ですが、もはやコメディ要素のない完全なヒーリング映像となっており、週末を癒やしで締めくくってくれました(関東圏では『休日のわるものさん』が日曜の深夜2時くらいから放送されているのです)……と思いきや、その後に控えていた週末アニメの真のアンカー『闇芝居 十二期』が美女たちが水着で登場する珍しいサービス回で、見事なコンボが発生していました。

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