フェラーリF1『SF-24』:コンセプトは運転しやすく予測可能なマシン。昨年終盤の方向性を出発点に全領域を再設計

 スクーデリア・フェラーリは、2月13日、2024年型マシン『SF-24』を発表した。チーム関係者および少数のゲストの目の前でニューマシンは披露され、一般にはオンラインで動画と画像が公開された。

 フィオラノでのプレゼンテーションには、フェラーリ会長ジョン・エルカーン、CEOベネデット・ビーニャ、副会長ピエロ・フェラーリ、チーム代表フレデリック・バスール、レースドライバーのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツが立ち会った。プレゼンテーションの後、フェラーリは、PR目的として規則で認められたフィルミングデーを活用し、『SF-24』のシェイクダウンを行う。

左からシャルル・ルクレール、フレデリック・バスール代表、カルロス・サインツ

 フェラーリは、『SF-24』のコンセプトを次のように説明している。

「『SF-24』は、F1グラウンドエフェクト世代の3台目のマシンだが、外観からして、過去2年間の伝統とは一線を画している」

「(シャシー担当テクニカルディレクターの)エンリコ・カルディル率いるデザインチームは、シャルルとカルロスにとって運転しやすく、予測可能な反応をするマシンを提供することを目指した。その出発点は、昨シーズン終盤数戦でドライバーたちがコクピット内で感じたポジティブな感触だ。目標は、ドライバーたちがドライビングスキルと組み合わせることで、パワーユニット(PU)のポテンシャルを最大限に引き出せるようにすることだ」

スクーデリア・フェラーリの2024年型マシン『SF-24』

 シャシー担当テクニカルディレクターのカルディルは、次のように語っている。

「『SF-24』では、完全に新しいプラットフォームを作りたいと考えた。出発点は昨年採用した開発方向であり、それによりシーズン終盤には競争力が大きく向上したが、今季型では、マシンのあらゆる領域が再設計された」

「ドライバーの意見を取り入れ、そのアイデアをエンジニアリングの現実に反映させ、より運転しやすく、つまり限界まで押し進めて最大限の性能を引き出せるようなマシンを提供することを目指した。風洞で見たものをレーストラック上で再現できる、強力で誠実なレーシングカーを提供するということ以外には、設計上の制約を設けなかった」

スクーデリア・フェラーリの2024年型マシン『SF-24』

 カラーリングの面では、フェラーリレッドにイエローとホワイトを配したデザインとなっている。

「昨年11月のラスベガスでの好評を受けて、ホワイトとイエローが復活した。イエローはフェラーリのセカンドカラーであり、モデナとの明白なつながりであると同時に、マラネロ・ブランドのF1以外のレース活動、つまりWEC世界耐久選手権との関連も表す」とチームは述べている。

「昨年同様、『SF-24』とWECの499Pは、同じ色合いのレッドに彩られ、F1マシンは今年もマット仕上げがなされる。フェラーリのF1カーにイエローがフィーチャーされるのはこれが初めてではないが、イエローの長いラインが入るのは1968年以来であり、それがホワイトと組み合わされたのは初めてのことだ」

スクーデリア・フェラーリの2024年型マシン『SF-24』

 バスール代表は「今年は、一貫してトップ争いをしていた昨シーズン終盤の状態からスタートし、コンスタントにあらゆる面で向上していく必要がある」と語った。

「史上最長のF1シーズンが我々を待ち受けている。すべてのグランプリで可能な限り最高の結果を出すためには、よりシニカルで効果的なレースマネジメントを行い、大胆な選択をしなければならないという点で、シャルル、カルロス、私の意見は一致している」

「ファンがチームに追い風を与えてくれるとよく言われるが、非常に接戦となるだろうチャンピオンシップにおいては、間違いなくそれが当てはまる。我々の場合、世界中の“ティフォシ”を頼りにできることを誇りに思う」

シャルル・ルクレール、フレデリック・バスール代表、カルロス・サインツ(フェラーリ)

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