防災グッズ 青森県内でも関心 能登地震受け意識高まる

保存食や水(手前)などの防災グッズが並ぶサンデー八戸根城店=9日、八戸市根城
一時的に品薄となったアウトドア用品。手前から風防付きガスコンロ、LEDランタン、水タンク=8日、青森市のDCM青森中央1号館

 1月の能登半島地震を受け、青森県内で災害時に役立つ防災グッズへの注目度が高まっている。各地のホームセンターで売れ行きが好調なほか、災害時に活用可能なアウトドア用品の一部も品薄になった。店関係者は「能登半島地震で再び災害に対する意識が高まった結果」とみている。

 2011年の東日本大震災で、沿岸部を中心に大きな被害が出た八戸市。ホームセンター「サンデー八戸根城店」では能登半島地震直後から、まとめ買いなどでペットボトルの飲料水の売り上げが急増した。同店は毎年、東日本大震災が起きた3月11日に向けて2月から防災用品コーナーを設けているというが、今年は1月中旬に前倒しした。

 防災用品担当の金濵宏樹さん(39)によると、飲料水のほか、パックご飯やアルファ化米などの保存食、家具の転倒を防ぐポールなどを中心に、売り上げは例年同時期比1~2割増のペースで推移。数十種類の防災用品を一度に持ち出せるリュックサックやバッグ、手回し式の充電ラジオなども並べて、買い物客に備えの必要性をアピールしている。防災用品のほかに、停電時でも使える反射式ストーブも売れ始めた。

 金濵さんは「定期的に入れ替えの必要がある飲料水や保存食はもともと売れていたが、(能登半島地震を受けて)防災への備えを見直す人が増えている印象がある」と話した。

 一方、青森市の「DCM青森中央1号館」では、ポリ製やビニール製の折りたたみ水タンク、屋外用の風防付きカセットコンロ、発光ダイオード(LED)ランタン、寝袋といったアウトドア関連用品が、能登半島地震発生の翌週ごろから次々と売れている。通常、この時期はアウトドア用品のオフシーズンだが、大上貴之マネジャー(47)によると、こうした商品の売り上げは例年同時期比約2倍という。

 このうち水タンクはメーカーが被災地向けの出荷を優先したため、常時十数個を陳列している棚が空になるなど一時は品薄になった。「家族連れのほか、町内会や事業所などの担当者が一度に複数購入した」(大上マネジャー)ためというが、現在は順調に入荷しているという。

 大上マネジャーは13年前の東日本大震災時、八戸市内の店舗に勤務。地震後、防災用品を買い求める客が店に殺到したという。その経験を「当時はしばらく自宅に帰れないほどだった」と振り返り、もし大規模災害が再度起きれば同様の混乱が想定されるとして「能登半島地震を機に、非常時の備えを再確認してみては」と話した。

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