UNRWA解体は近視眼的、ガザ人道危機を悪化させる=事務局長

Gabrielle Tétrault-Farber

[ジュネーブ 13日 ロイター] - 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリーニ事務局長は13日、パレスチナ難民に必要不可欠なサービスを提供するUNRWAの任務を終了させれば、パレスチナ自治区ガザの人道危機が一段と悪化するとし、UNRWAの解体を求めるのは「近視眼的」との考えを示した。

UNRWAの職員がイスラム組織ハマスによる昨年10月のイスラエル奇襲攻撃に関与していたとされる疑惑を受け、主要な支援国はUNRWAに対する資金提供を停止。UNRWA報道官は、資金難によりあと2週間程度で一部プログラムの継続に支障が出るとしている。

ラザリーニ事務局長はジュネーブの国連機関で加盟国と協議を実施。「UNRWAの解体や廃止を求める声が出ていることについて、その影響について警告し、こうした要求は近視眼的だと伝えた」と述べた。

その上で「UNRWAは過去20年間にわたり、教育のような政府が実施するサービスを提供する任務を負ってきた。こうしたプログラムを実施する国連機関や国際的な非政府組織(NGO)は他にはない」と語った。

UNRWAは1949年に設立。イスラエルは以前から、UNRWAが反イスラエル感情を助長しているとして、繰り返し解体を求めていた。

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