スギ「花粉症」小学生の2人に1人が発症とも…若年化が進み、発症年齢は平均5.8歳という結果も なぜ子どもの花粉症は増えた?

「目のかゆみ」や「鼻水」など、この時期に悩まされる人も多いスギ花粉の花粉症。大人だけではなく、いまや小学生の2人に1人が発症していると言われています。しかも、花粉症を発症する年齢は平均5.8歳というデータもあり、花粉症の若年化が進んでいるともいわれています。なぜ、子どもの花粉症が増えているのでしょうか?

島根県松江市の雑木林では。

入江直樹 記者
「松江市の郊外に来ています。おぞましいほど真っ赤になっています。ちょっと叩いてみます。見える程は出ていないですね。」

13日、松江の気温は午後2時時点で15.0度など、暖かい1日に。

スギの木のつぼみは、まだ固いように見えますが、街の人は。

主婦
「2週間くらい前からですか。今年は何か鼻がむずむずして鼻水が知らない内に流れて」

大阪からの女性
「今まで大丈夫だったんですけど、突然かゆくなってきて2週間前くらいにアレルギー検査をして来ました。目がめっちゃかゆいのと、何かくしゃみが何か連続で出るようになって」

学生
「目がかゆいですね。暖かくなるのが早いですし、ちょっと早いのかなってのは感じています」

スギ花粉の傾向について、環境省によりますと、花粉を飛ばすスギの雄花の芽の数は、過去10年間の平均と比べて、島根は163%、鳥取は109%という調査結果も。

また、花粉情報協会によりますと、山陰両県では、今週から花粉が飛び始めている可能性が高いとしています。

そんな中、子どもの花粉症が増えていると感じているクリニックも。

米子市内の小児科クリニック。

2月に入り、花粉症の症状を訴える子どもが増えているといいます。

米子こどもクリニック 田本直弘 理事長
「開院して10年になりますけど、10年前に比べても子どもの花粉症が増えている印象があります。3~4倍には増えている感じはします」

こちらのクリニックでは、現在、風邪や新型コロナ、インフルエンザの患者も増えていて、花粉症との区別がつきにくい場合も少なくないといいます。

一方、花粉症の発症年齢にも変化が…

米子こどもクリニック 田本直弘 理事長
「発症年齢も少しずつ下がってきていると思います。昔は小学校高学年になると花粉症を疑って、低学年や保育園の子たちはまず頭に花粉症を思い浮かべなかったんですけど、だいぶ変わってきています」

また、こんな調査結果もあります。

ロート製薬アルガード調べによりますと、子どもの花粉症を実感する親は42.6%。

10年前の32.7%に比べて、およそ10ポイント増加しました。

花粉症の発症年齢は、平均5.8歳という結果も。

なぜ、子どもの花粉症が増えているのでしょうか?

米子こどもクリニック 田本直弘 理事長
「いろんな事が言われていて一概には言えないんですけど、都市化が進んでいる影響や単純に花粉の量が増えているというのもあると思います」

気になる花粉の量。

林野庁によりますと、スギは樹齢20年を超えると花粉を多く飛ばすようになりますが、現在、国内の森林面積の約18%がスギの人工林で、そのほとんどが樹齢20年以上とのことです。

花粉の発生源となるスギが成長し増えてきたことに伴い、花粉の飛散量も増えていると推測されているのです。

日常生活にも支障を及ぼす花粉症。
子どもの場合、早めに気づいて、早めに対策することが重要となりそうです。

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