米LNG輸出許可停止、向こう2─3年の欧州向け供給には影響せず=EU高官

Timothy Gardner Laura Sanicola

[ワシントン 13日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のシェフチョビッチ副委員長は13日、バイデン米政権が液化天然ガス(LNG)輸出の新規許可を一時的に停止すると決めたことについて、向こう2─3年の米国から欧州への供給には影響を及ぼさないとの見方を示した。

シェフチョビッチ氏は米政府高官らと会談し、米国が世界全体のエネルギー安全保障に対してどのような形で責任を果たしてくかが大事だと伝えたことを明らかにした。またバイデン政権の決定が世界に波紋を広げたとも指摘した。

ただシェフチョビッチ氏は、今回の措置の対象外となった既に許可されている米国のLNG輸出が伸びているため、最近になって事態は落ち着いてきたと強調。さらに米国は今後数年にわたる欧州からの大きな需要に対応できるはずだし、一時停止措置には、窮地に陥った米国の同盟国や友好国には緊急的な供給を行うとの条項も盛り込まれていると付け加えた。

それでもシェフチョビッチ氏は、米国のエネルギー安全保障の担い手としての責任は欧州だけにとどまらなくなっており、東南アジアやインド、中南米、アフリカも石炭依存から脱却する上で、ガスを必要としていると述べた。

米国は昨年、世界最大のLNG輸出国となり、既に許可されたベースで2030年までには輸出規模が2倍に膨らむと予想されている。

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