別府やよい商店街に可動式の屋台設置 学生に起業体験の場、活性化目指す【大分県】

チャレンジショップに挑戦する立命館アジア太平洋大の金沢宏高さん(右)とロゴ・デザインなどで協力する藤井陸さん=別府市のやよい通り商店街

 【別府】別府市の別府やよい商店街振興組合は、商店街の一角に可動式の屋台を設置し、学生が起業体験できる「チャレンジ・ショップ」の運営を始めた。商店街に新たな交流を生み、活性化にもつなげたい考えだ。

 同組合によると、商店街には現在43店舗が営業し、空き店舗は数軒。物販などの業種は昼間が中心、飲食店は夜間の営業が中心で、常に半数程度の店のシャッターが下りた状態になっている。

 同振興組合は活性化を図るため、商店街になじみがない若者を呼び込もうとチャレンジ・ショップの運営を決めた。可動式の屋台は「天狗神輿(てんぐみこし)舎」横に設置し、「天狗の貸間」と名付けた。広さは2畳ほどで、観光客や市民が滞在できる空間にする。実際に商店を構える多くの「経営のプロ」が身近にいる環境で、学生が店舗経営を実践的に学べる。

 第1弾は立命館アジア太平洋大(同市、APU)国際経営学部1年の金沢宏高さん(19)ら4人が挑戦している。金沢さんはAPU珈琲(コーヒー)研究会に所属し、企業とオリジナルブレンドを共同開発するなどコーヒーに対する熱い思いを抱く。カフェでのアルバイト経験も生かし、ショップの運営は迷わず決めた。

 カフェは「TUMUGU COFFEE STAND(つむぐ・コーヒー・スタンド)」。「高校生時代に出合った最高の一杯が忘れられず、さまざまな器具を買うなどして研究を重ねている。学生と市民のコミュニティーを紡ぐような場所にしたい」と金沢さん。保健所への申請や資金計画などは同振興組合の支援を受けた。営業は10日から1カ月間で土日、祝日限定。

 河野悟理事(52)は「観光客が訪れた時にシャッターが閉まっていては寂しい。学生たちが経営を実践的に学びながら、交流を生み出すきっかけにもしたい」と話している。

<メモ>

 ショップは1カ月単位(最長3カ月)で貸し出す。賃料は月5千円(週末のみ営業の場合)。問い合わせは河野理事(090.5248.7727)かメール(kitahama.art@gmail.com)。

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