大分市の若宮八幡社に趣ある和風庭園誕生 造園団体などが技能継承へ整備【大分県】

拝殿脇から大友社(正面奥)に続く園路や石組みを造った各団体の役員ら=大分市上野町の若宮八幡社

 【大分】日本造園組合連合会県支部、県造園建設業協会、21世紀大分みどりの会の3団体が、大分市上野町の若宮八幡社の境内に庭園を整備し、9日に奉納した。

 3団体は技術と技能の継承を目指し、3日に同八幡社で講習会を開催。県内の25~45歳の若手技能者と役員ら計42人が参加した。

 拝殿脇から本殿後方の大友社に続くスペースに桜やモミジ、ヤマボウシ、ササなど約100本を植栽。石組みや園路で奥行きを演出し、朱塗りの銅板ぶきの社殿になじむ趣ある和風庭園を造った。

 日本造園組合連合会県支部の池部寛支部長と県造園建設業協会の栗木康一副会長は「近年は本格的な庭を造る機会が減っており、若い技能者にとっていい経験になった」。

 同市のNPO法人「大友氏顕彰会」の牧達夫理事長による歴史解説もあった。

 同八幡社は1196年、大友氏初代当主の能直(よしなお)が鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)から分霊したと伝わる。1921年に府内町から現在地へ移った。大友社には能直を祭っているという。

 氏子から別府石や日田石など約60石の寄贈があり、今回の整備が実現した。鶴田巧総代会長は「匠(たくみ)の技で立派な庭が完成した。地域の宝として後世に伝えたい」と話した。

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