天ケ瀬温泉の湯、被災地の能登町へ 「豪雨時の恩返しを」有志が足湯と入浴支援活動【大分県】

石川県能登町で足湯などの支援活動をするため、トラックに温泉を積み込んだ佐藤龍さん(中央)ら=日田市天瀬町
石川県能登町に運ぶため、天ケ瀬温泉の湯を保温タンクにくんだ

 【日田】2020年7月豪雨で大きな被害を受けた日田市天瀬町の天ケ瀬温泉街の有志が13日、能登半島地震で被災した石川県能登町で足湯と入浴の支援活動を始めた。当時、全国から支援を受けた恩返しの思いも込めており、「心と体が休まれば」と話している。

 7月豪雨では、温泉街を流れる玖珠川が氾濫し、川沿いの旅館や民家が浸水するなど、甚大な被害を受けた。被災後は各地からボランティアが入り、支援に当たった。当時のお礼をしようと、支援チームを組んで活動することを決めた。

 12日は天瀬町赤岩のホテル「ふろんでん」に関係者が集まり、天ケ瀬温泉旅館組合が所有する保温タンクに源泉1500リットルをくんだ。足を入れるおけとともに、トラックに積み、3人が能登町に向けて出発した。

 現地では日田市のNPO法人「リエラ」と連携し、17日まで活動する。13日は天ケ瀬温泉の湯を使い、その後は現地の宿泊施設から湯をもらい、支援する。

 支援チームのリーダーで旅館「ひたや」の館主、佐藤龍さん(35)は7月豪雨で旅館兼自宅が床上浸水する被害を受けた。

 「豪雨ではボランティアが来てくれて助かった。今回はいてもたってもいられなかった。温かい湯に入ってもらい、温かい気持ちになってくれれば」と話した。 

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