金爆・喜矢武「ふぉ〜ゆ〜って誰だ?」、初共演でライバル心も

ふぉ〜ゆ〜主演の舞台『隅田川ヤングロード物語2 〜嗚呼!青春はマサラの香り!〜』に、初参戦するゴールデンボンバー・喜矢武豊(きゃん・ゆたか)。アイドルグループ×ヴィジュアル系エアーバンドマンの異色の組み合わせは、いったいどんな作用を引き起こすのか。ふぉ〜ゆ〜・福田悠太と喜矢武が大阪での取材会に応じ、息の合ったやり取りを見せた。

「バチバチにかっこいいポーズで」のリクエストに、クールに決めてくれたゴールデンボンバー・喜矢武豊(左)とふぉ〜ゆ〜・福田悠太

■ ふぉ〜ゆ〜の第一印象は「エンタメを極めた集団」(喜矢武)

──まず、喜矢武さんは本公演の出演のお話を聞いたとき、どのようなお気持ちでしたか?

喜矢武「ふぉ〜ゆ〜って誰だ!?と。すみませんね、はっきり言っちゃった(笑)。僕は彼の所属事務所のことも詳しくなかったので、初めてふぉ〜ゆ〜というグループ名を聞いて。このお話をいただいたあとに、『ENTA!』という彼らのライブを見させてもらったのですが、あれはライブって言っていいんですか?」

福田「忘年会です(笑)」

喜矢武「その忘年会がすごく面白くて。もうエンタメを極めた集団だなと。お客さんを楽しませるという意味で、『あれ? ゴールデンボンバーは負けているかもしれない』と、そのとき思って。これはちょっと面白いものができそうだなみたいな。楽しい舞台になるだろうなと思いました」

オファーされたときは共演者であるふぉ〜ゆ〜の存在を知らなかったとぶっちゃける喜矢武(2月8日・大阪市内)

──ふぉ〜ゆ〜のどういうところにエンタメを極めていると思われたのでしょうか?

喜矢武「『ENTA!』も台本はあるのでしょうけど、ほぼフリーというか。曲とか、踊りもありますけど、ふぉ〜ゆ〜のまま板の上に立っていて、その空気でお客さんをとにかく楽しませるという精神ですかね。それを見て『なんだこいつら』と思いました。『本当にあの事務所か?』と。絶対、違う事務所がまぎれ込んでいるだろうと」

福田「だから、会社も僕たちをどう扱っていいのかわかんないと思います(笑)」

喜矢武「そのギャップというか。メンバー全員のエンタメ精神がすごいです」

──ゴールデンボンバーのライブとの親和性も感じられましたか?

喜矢武「結構似たような部分があると思います。僕らもお客さんを楽しませるというコンセプトがあって。本当はかっこいいバンドになりたかったんだけど・・・」

福田「かっこいいですよ!」

ふぉ〜ゆ〜×ゴールデンボンバー、奇跡とも言えるコラボレーションに笑顔を見せる2人(2月8日・大阪市内)

喜矢武「いやいや、僕らはかっこいいよりも楽しませる方向に行ったので。でも、そこは結構近かったなと。それゆえ『あれ? (ふぉ〜ゆ〜を)潰した方がいいかな?』って思いました」

福田「ライバル視!?」

喜矢武「そう。だから舞台に紛れ込んで、内側から(ふぉ〜ゆ〜に)ボディブローを打ってます」

■「喜矢武さんが生きる場所はここかも」(福田)

──福田さんは、喜矢武さんにどのような印象がありましたか?

福田「有名な芸能人の方だと(笑)。僕ら『劇団尺伸ばし』(アドリブが止まらず上演時間が延びてしまったことで名付けられた通称)の公演は今作で6回目になりますが、このタイミングで僕たちがひと回りもふた回りも大きくなるためにゲストを迎えようと。そこで喜矢武さんという本当の芸能人の方が来てくれて。だから、お会いできたときはうれしかったです」

「これを機にゴールデンボンバーさんとふぉ〜ゆ〜でコラボさせていただいて、ライブとかにも呼んでいただいて…」と夢を語る福田(2月8日・大阪市内)

──「劇団尺伸ばし」に加わった喜矢武さんはいかがですか?

福田「今までの僕らの公演の雰囲気とか、いろんな方から聞いたんだと思います。喜矢武さんは最初に『俺は、尺(上演時間)は伸ばさないし、一番まじめにやる』と。『逆に尺を縮めにいく』みたいなことをおっしゃっていたんですけど、結果、血が騒いで我慢できなくなったんでしょうね。本番で(アドリブを)めちゃめちゃやってますから。もう、喜矢武さんが生きる場所はここかもしれないです」

喜矢武「確かにね。吹っ切れたようにやりだしたから。最初はね、ふぉ〜ゆ〜さんの舞台だから、ちゃんとやらなきゃみたいな気持ちがあったんですけど、途中からこれは違うなと。まじめにやってはいけない舞台だと気づきまして。そこからもう、いかにたがを外すか考えるようになりました」

福田「もう、外れまくってます。びっくりします。正気か!?と思います」

■ 「エンタメはいかに楽しんでやるか」(喜矢武)

──喜矢武さんはそんな「劇団尺伸ばし」にご自身の新たな一面を引き出してもらったということはありましたか?

喜矢武「ものすごい経験をしていると思います。僕、こんなにどっぷりとアウェイに飛び込んだのも初めてで。僕は結構、アウェイは得意な方だと思うんですけど、ふぉ〜ゆ〜はやっぱりがっつりアイドルじゃないですか。だから、いろいろ鍛えられました。あと、僕らのライブもそうですけど、改めてエンタメはいかに楽しんでやるかということに気づきましたね!」

「エンタメはいかに楽しんでやるか」真面目に語る喜矢武(2月8日・大阪市内)

福田「すごくまじめに、いいこと言いましたね!」

──大阪公演で、本公演の大千穐楽を迎えます。意気込みはいかがでしょうか?

福田「やっぱり大阪といえば吉本新喜劇があるので、対抗するわけじゃないですけども、僕らもこういうコメディを6年やっているので、ちょっと仲間に入れてほしいなという気持ちがあります。『第4の新喜劇』ぐらいで、定期的に見に行くような舞台になれたらいいな、なんて。大阪はお笑いの文化が定着しているので、僕らの舞台も楽しんでいただけるかなと思っています」

喜矢武「毎公演、毎公演、パワーアップしていて、どんどんすごいことになっているので、大阪でやる頃にはもう、マサラの香りではなくなっていると思います。違う香りになってる。多分・・・ソースの香り」

ふぉ〜ゆ〜主演の舞台『隅田川ヤングロード物語2 〜嗚呼!青春はマサラの香り!〜』は、商店街「隅田川ヤングロード」で巻き起こるドタバタを描いたオリジナルコメディの第2弾。キャストに前野朋哉、野澤祐樹、楢木和也(梅棒)、田中穂先(柿喰う客)、三倉佳奈、そして作・演出の小林顕作というおなじみのメンバーに加え、ゴールデンボンバーの喜矢武豊が初参加。大阪公演は2月24・25日に「COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール」(大阪市中央区)で上演。チケットは現在発売中。

取材・文・写真/岩本

舞台『隅田川ヤングロード物語2 ~嗚呼!青春はマサラの香り!~』

期間:2024年2月24日(土)・25日(日)
会場:COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール(大阪市中央区大阪城3-6)
料金:10,500円

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