サッポロHD、ビールに成長投資 不動産保有「様々な形態検討」

Mayu Sakoda

[東京 14日 ロイター] - サッポロホールディングスは14日、中長期経営方針を発表し、不動産に外部資本を導入し、主力のビール成長投資を拡大していく方針を示した。不動産について、保有形態の多様化を検討していくという。

計画では、ビール事業の成長投資を大幅に拡大する方針を掲げた。尾賀真城社長は会見で、国内市場について「酒税改定でビール回帰というチャンスが来ており、集中しないといけない時代に入ってくる。攻めの経営で、集中化、エリアの多様化を行う」と述べた。

松風里栄子取締役は、M&Aについて「サッポロブランドを伸ばしていきたい」として積極的な姿勢を示した。

一方、不動産売却の可能性についての質問には「さまざまなスキーム、形態を検討していく」と答えたが、具体的に決まったものは現時点ではないという。同社は東京の恵比寿ガーデンプレイスやGINZA PLACEのほか、札幌市に不動産を保有している。

同社に対しては、シンガポール拠点の投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズが株主として経営改革を求めている。松出義忠取締役は「3Dとは継続的に対話をしている」と述べるにとどめ、現時点では株主提案は受けていないと説明した。

サッポロHDは1月、3Dが筆頭株主になったと発表。企業価値向上の取り組みが課題となっている。

同時に発表した2024年12月期通期の連結業績予想(国際会計基準)では、営業利益を前年比48.9%増の176億円と見込む。国内ではビールとRTDを強化し、海外事業ではサッポロプレミアムビールの販売拡大を目指す。

23年12月月期通期の営業利益は、17%増の118億円だった。ビール強化や店舗採算などの構造改革が奏功した。

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