県立美術館の目玉に シスレー「冬の夕日」購入を発表 4月から披露

アルフレッド・シスレー「冬の夕日(サン=マメスのセーヌ河)」(1882~83年ごろ、油彩)

 福田富一(ふくだとみかず)知事は14日の定例記者会見で、県が県立美術館のコレクションとして、フランス印象派の英国人アルフレッド・シスレー(1839~99年)の油彩画「冬の夕日(サン=マメスのセーヌ河)」(縦50センチ、横65センチ)を購入する方針を発表し、作品の画像を公開した。購入額は3億6千万円。

 福田知事は購入理由として(1)同美術館の収集方針の一つ「18世紀後半以降の世界美術史を理解する上で重要な美術作品」に合致する(2)同美術館が所蔵するコンスタブルやターナーなど英国絵画と関係性が深い(3)那須塩原市に明治期に総理大臣を務めた松方正義(まつかたまさよし)の別邸があり、その三男幸次郎(こうじろう)が収集した旧松方コレクションの一つであり、縁が深い-ことを挙げた。

 国内で確認されている旧松方コレクションのシスレー作品は、本作とアーティゾン美術館(東京)所蔵の2点のみで、希少性が高いことも決め手になったという。

 福田知事は「技法画法が独特で、葉っぱ一枚一枚がくっきりと見える。県立美術館の目玉作品としていいものではないか」と語った。

 19日開会の県議会2月通常会議に関連議案を提出し、議決後に正式購入となる。作品は4月20日に開幕するコレクション展Ⅰ「始まりの美術」で披露される。

© 株式会社下野新聞社